やや難易度アップ!『第1回DX理解度チェック(後半)』
『第1回DX理解度チェック』<後半>
いよいよ後半です。前半に比べるとやや難易度は上がりますが、引き続き全問正解を目指して挑戦してください!
【第6問】DXの組織に最適な構造は?
IT業界で有名な、「システムやソフトウェアの構造は開発組織の構造の影響を受けやすい」という意味を持つ法則を何と呼ぶでしょうか?
(1)ヒックの法則
(2)コンウェイの法則
(3)ブルックスの法則
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(1)のヒックの法則は「選択肢が増えるほど意思決定に時間がかかる」、(3)のブルックスの法則は「遅れているソフトウェアプロジェクトへの要員追加はさらに遅らせるだけ」という意味の法則です。
コンウェイの法則が言わんとしているのは、最適な構造の組織なしに開発の成功はないということ。DXの基礎となる開発手法は、「分散型」のマイクロサービスを活用した「迅速」で「柔軟性」の高いアジャイル開発ですが、それを実現するためには、開発組織もまた「迅速」で「柔軟性」の高い構造を持つ「分散型」組織が最適であるということです。
ということで、正解は(2)です。
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DX成功のために組織の変革が必要な理由
【第7問】『DXレポート2.1』とは?
経済産業省が2021年8月に発表した『DXレポート2.1』の内容説明として適切なのはどれでしょうか?
(1)コロナ禍がもたらした先行き不明な状況を受け、DXを推進する上で企業が取り組むべき短・中期的な対応について詳細に述べられている
(2)「デジタル産業」と呼ばれる新たな産業の形や、企業が既存産業から脱却してデジタル産業に相応しい企業へと変革していくための課題および方向性が示されている
(3)企業がこのまま何も手を打たなければ、2025年には極端なIT人材不足に陥り、多くのシステムが危機を迎える「2025年の崖」について警鐘を鳴らしている
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(1)は『DXレポート2 中間取りまとめ』(2020年12月発表)、(3)は『DXレポート』(2018年9月発表)の内容を説明した文章です。
『DXレポート2.1』は副題に「DXレポート2追補版」とある通り、『DXレポート2』で触れられていた「デジタル産業」の具体像や、「レガシー企業文化からの脱却」および「ユーザー企業とベンダー企業の共創の推進」を実現するための取り組みについて、現状のビジネスや人材育成における課題とその解決策に触れつつ、詳しく解説しています。
ということで、正解は(2)です。
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なぜ今DXレポート2.1なのか?
【第8問】DXの組織づくりで重要な概念は?
DXの組織づくりにおいて、開発担当者が働きやすい文化・組織・システムを整備することを何と呼ぶでしょうか?
(1)DX
(2)EX
(3)UX
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DXは「Developer eXperience」の略称で、直訳すると「開発者体験」。具体的には、「高速かつ継続的に仮説検証に取り組める」「心理的安全性が確保されている」「経営がデジタルファースト」などの条件を満たす、開発者が能力を発揮しやすい環境を整える取り組みを指します。特にDXを内製化する際に重要な概念です。
(2)のEX(Employee eXperience:従業者体験)は働き方改革や戦略的な人事管理の手法であるタレントマネジメントの文脈で使われている概念。(3)のUX(User eXperience:ユーザー体験)は、ユーザーが製品・サービスを通じて得られる様々な体験を指します。
ということで、正解は(1)です。
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DX成功のカギを握る、もう一つの「DX」
【第9問】DXの基盤となるITツールは?
DX推進の基礎となるITツールの一つで、スキャンするだけで紙文書やFAXの手書き文字を電子データ(テキスト)化できるソフトウェアは次のどれでしょうか?
(1)RPA
(2)BI
(3)OCR
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(1)のRPA(Robotic Process Automation)は、入力や検索、資料作成、メール送信など、パソコンでの定型作業をロボットに置き換えて自動化できるITツール。(2)のBI(Business Intelligence)は最適な意思決定のためにデータを可視化・分析するソフトウェアです。
OCRは「Optical Character Recognition(光学的文字認識)」または「Optical Character Reader(光学的文字読取)」の略称で、バックオフィスでの各種帳票処理や、アンケート集計業務の自動化などに利用されています。AI技術を活用したAI-OCRであれば、より手書き文字の認識精度が高く、複雑なフォーマットのデータ化にも対応可能です。
ということで、正解は(3)です。
↓AI-OCRのデモンストレーション動画はこちら!
https://creo-ocr.com/
【第10問】DX推進企業の経営層に必要なマインドとは?
DX推進企業の経営層が持つべきマインドとして適切なのはどれでしょうか?
(1)DXをスピーディに実現するため、社外から集めたハイエンド人材だけでDX推進チームを作る
(2)DXの重要性は十分認識しているが、ITやデジタルについては不見識なので現場を信じて任せる
(3)DXは即効性があるとは限らないので、PoC(実証実験)やトライアンドエラーの期間も見越した中長期的な視点と投資が必要
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最先端のデジタル技術を活用するためには、当然外部の専門人材の力を借りることは有効です。しかし、DXにおいてITやデジタルはあくまで手段。DXを円滑に進め、目的である全社的な変革を実現するためには、推進組織にも自社のビジネスや現場を知り尽くした人材が欠かせません。そのためには、自社での専門人材の育成や、全社的なスキル・知識の底上げを図ることが重要です。
また、DX成功企業の事例を見ればわかるように、経営者や経営層のコミットメントも必須です。現場はもちろん、ベンダー任せもNG。ビジョンの設定を含め、いかにトップが率先してアクションを起こしていけるかどうかが、DXの成否を分けると言っても過言ではありません。
ということで、正解は(3)です。
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経営層のマインドチェンジ
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました! 以上で『第1回DX理解度チェック』は終了です。全問正解できた方もそうでない方も、ぜひDX-laboの他の記事も読んでみてください。そして第2回の開催をお楽しみにお待ちください!