データアナリティクスとは
データアナリティクス
~DXを劇的に加速するデータアナリティクス~<前半>
データアナリティクスとは
データアナリティクスとは、データを調査・分析して、傾向やパターンなどを特定することで、データ全体の重要なインサイト(洞察)を明確にし、さまざまな意思決定を支援することです。なかでも最新のデータアナリティクスは、ITシステムがリアルタイムの自動分析を行い、その結果をもとに組織がリアルタイムにアクションを起こすことを可能にしており、大きな成果をもたらします。
データアナリティクスが対象とするデータにはさまざまなものがあります。顧客情報、取引履歴、購買データ、人事データ、従業員アンケート、就業データなど種類は多岐にわたります。具体的には、取引履歴、購買データなどを使って売上を向上させたり、人事・就業のデータを用いて業務改善を行ったりします。さらに、従業員の声(アンケートなど)のデータを分析して、組織の課題を発見し、人事施策などにつなげ企業のエンゲージメントを高めたりもします。
近年、コンピューターの高速化によりAIといわれる機械学習やディープラーニングなどのテクノロジーが急速に進化し実用化されました。同時にストレージの高速・巨大化により、ビッグデータといわれる膨大かつさまざまな種類のデータが蓄積されるようになりました。またIoTといわれるセンサー技術の発達によりさまざまなデータが自動で取得できたり、スマートフォンの普及によりデジタルデータの取得が容易になったりし、非常に膨大なデータが取得・蓄積されるようになりました。 これら、AI・IoT・ビッグデータなどの発達にともない、データの分析が非常に注目されるようになりました。
令和3年に実施された総務省による「通信利用動向調査」では、データ収集・解析を目的にAI・IoTなどのシステム・サービスを導入している日本企業は未だ14.9%という結果でした。ただし、その内の83.4%の企業が導入効果を評価しています。今後、データアナリティクスは今後の企業活動においてさらに重要な役割をはたしていくと考えられます。
データアナリティクスのメリット
・精度の高い予測が可能になる
データアナリティクスにより、従来でありがちだった経験値やカンなどによる判断ではなく、リアルなデータというファクトに基づく予測ができるようになります。さらに複数のデータを組み合わせたり、従来あまり意味を持たないと考えられていたデータを活用したりすることによって、分析の精度を高めていくことができます。 予測精度が上がることにより、優れた経営判断や効果的なマーケティング戦略が可能になります。また、繰り返しデータを分析し続けることで、さらに精度の高い予測モデルを構築することができるようになり、企業の競争力を継続して上げていけるようになります。
・潜在課題をデータで可視化できる
データの分析によって、データベースに蓄積されたデータ間の相関関係を発見したり、まったく意識していなかったデータを活用したりすることで、今まで認識していなかった課題やインサイトを可視化できます。これらの新たな知見を活用すると組織のボトルネックを発見・解消できたり、売上・顧客データを深く理解したりすることができ、新たなビジネスチャンスにつなげることができます。
・先入観ではなくリアルなデータでより正確な判断ができるようになる
既存ビジネスを継続していると、長年の経験や勘に頼る部分も多く、先入観による意思決定を行いがちです。これは、方向性としては正しいことが多いですが、正確性には乏しく、業界やマーケットの変化をスピーディに捉えることはしにくいです。一方で、リアルなデータの分析によって得られた情報は、市場の動向を正確に把握することができ、より正確な判断を下すことができます。企業で、データから導き出した客観的な判断基準を定着することができ、データドリブンといわれる判断ができるようになると、より本質的な判断ができるようになるでしょう。
今回は、データアナリティクスの概要とメリットついてお伝えしました。次回は具体的な実行プロセスと事例について解説していきます。