デジタル時代の集客に「コピーライティング」が重要な理由
デジタルマーケティングに効果的なコピーライティングとは<前半>
言葉を変えれば売上も変わる
業界を問わず、今やビジネスにおいてIT・デジタルの活用は必須と言っても過言ではないでしょう。とはいえ、最新のツールやシステムを導入して新たなサービスを始めたり、業務効率化を図ったり、データ分析の精度を向上させたりしても、それだけで売上が大きく伸びることがないのも事実です。
まず、どれだけ多くの見込み客・新規顧客を集められるか――つまり“集客”こそが、ビジネスの重要課題であることはいつの時代も変わりません。そして現在、DX推進企業を含め、多くの企業が注力しているWeb/デジタルマーケティングにおいて、ますます重要性を増しているのが「集客のための言葉=コピーライティング」なのです。
例えば、Web広告では広告文を変えるだけでクリック率(販売ページへの遷移率)は大きく変わりますし、ECサイトでも「1個購入するともう1個無料」というコピーを「1個購入するともう1個もらえる」に変えたり、購入ボタンの文言を「購入する」から「申し込む」に変えたりすれば購入率(成約率)は変化します。近年はブログを使ったコンテンツマーケティングに力を入れている企業も増えていますが、もちろんブログのタイトルや中身の文章においても同様です。
何よりWebやデジタルには、オフライン(アナログ)のマーケティングに比べてテストや効果検証、改善が容易であるという大きなメリットがあります。広告に対する反響が定量的かつリアルタイムに把握できますし、反響が悪くても紙広告のように印刷代を掛けることなく内容の差し替えやブラッシュアップが可能です。一度に数パターンの広告を掲出して反響の良いコピーを探すという手法も、ごく一般的におこなわれています。
また最近は、動画を活用したマーケティングが注目を集めていますが、そこでもセリフやナレーション、テロップにおいてコピーライティングのテクニックは欠かせません。極端な言い方をすれば、どんなに素晴らしい商品・サービスを開発しても、それを必要とする人たち=ターゲット(想定顧客層)に魅力が伝わらなければ存在していないのと同じこと。飽和状態の市場や“VUCA”と呼ばれる予測不可能な時代状況も併せて考えると、IT・デジタルとともにコピーライティングの技術もビジネスの必需品と言って良いのではないでしょうか。
コピーライティングにおいて意識すべき消費者心理
■「3つのNOT」(3つの壁)
そもそも消費者は広告を「読まない(Not Read)」し、簡単には「信じない(Not Believe)」し、企業が望むようには「行動しない(Not Act)」という心理を表した言葉です。
「随分後ろ向きの考え方だな」と思われるかもしれませんが、実際にWeb広告は成約率数%の世界(100人がアクセスして数人が購入または申し込み)。コピーライティングも、ただ商品の良さをアピールしたり、きれいな言葉を並べたりしたところでまったく効果はありません。意識すべきは読み手が「読みたくなる」「信じられる」「行動したくなる」コピーを書くこと。そういった意味でも、この「3つのNOT」はコピーを書く者全員が肝に銘じて置くべき“残酷な真実”と言えます。
■「カクテルパーティー効果」
心理学者によって提唱されたもので、パーティーのような雑音だらけの状況でも、なぜか自分に関する会話や自分が関係する(興味のある)情報は聞きとれるという不思議な現象を指します。
本来は音声情報に関する現象ではありますが、コピーライティングにおいても、ターゲットに「これは自分に関係のある商品(情報)だ」と瞬時に伝えることができれば、数ある広告の中から注目されやすくなります。例えば、「3日以上野菜を取っていない50代の男性へ」といったキャッチコピーや見出しが該当します。
■「バンドワゴン効果」
アメリカの経済学者が創作した言葉で、「行列を見ると並びたくなる」「みんなが持っているから自分も欲しい」といった人間の心理傾向を指します。
人は多くの人が支持しているものは「良いもの」であるはずと思いやすいもの。SNSで「いいね!」の数が少ない投稿よりも多い投稿の方が自分も「いいね!」を押しやすい、という心理とも似ています。コピーライティングでは、「〇秒に1人が購入しています」「日本で最も利用されている〇〇ツール」といった賑わい感や行列感の演出に活用されています。
次回記事では、「どうやってコピーライティングを書けばいいかわからない」という方に向けて、集客に効果的なコピーライティングの手法を7つ紹介します。