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経営改革促進

2020年6月22日

クラウドITツールはテレワークのインフラになる

ウィズ・コロナ時代にバックオフィスで求められる働き方改革とは<後半>

クラウドITツールはテレワークのインフラになる

コロナ禍で浮き彫りになったテレワークの課題

前回はウィズ・コロナ時代における働き方改革の必要性について考察しましたが、当然ながら、いきなり全てを変えるのは容易ではありません。実際、今回のコロナ禍で急にテレワークを導入した企業でも、様々な課題が浮き彫りになってきています。

いくつかのアンケート結果を見てみると、もっとも目立つのが「オフィスワークよりもコミュニケーションが難しい」ことです。テレワークは基本的に一人での業務。上司から細かくフォローをしてもらったり、周囲に簡単な質問をしたりすることができないため、ちょっとしたことで業務が止まってしまうことがあります。とくに新入社員や社歴の短い社員であれば尚更でしょう。また、コミュニケーション不足は、業務の進捗状況の把握や情報共有の不足にもつながります。

もちろん、こうした点についてはオンラインミーティングツールやチャットツールを利用すればある程度はカバーすることはできます。しかし、ディスプレイ上の対話では表情の機微が読み取りづらいため、込み入った話には適していませんし、文字だけのやりとりは知らぬうちに相手の心証を害してしまうことも多いため、決して十全とはいえません。

このように見ていくと、テレワークを成功させるためには、前半で紹介した「ペーパーレス化」と「オフィスでの業務削減」、そして無駄なコミュニケーションを減らし、「オンタイムで業務を見える化すること」が重要であるといえます。

ただし今回、一部で話題にもなりましたが、従業員のパソコンのカメラを使って仕事ぶりを監視したり、作業時間を細かくログするソフトウェアを導入したりするのは、従業員の集中力やモチベーション維持の面で効果的とはいえません。場合によっては従業員エンゲージメントを損なうこともあるでしょう。ウィズ・コロナ時代に企業の持続的成長を目指すための働き方改革が、生産性を低下させ、離職率を増やしてしまうことになっては本末転倒です。

実は、こうした課題を抜本的に解決する方法はそれほど多くありません。そのひとつが、テレワークでインフラのような役割を果たしてくれるクラウド型ITツールの導入です。

業務を「ペーパレス化」「自動化」「見える化」するクラウドITツール

まずはペーパーレス化。単純に自社で発行する文書をデジタル化するツールなら色々ありますが、OCR(オプティカル・キャラクター・リーダー)と呼ばれる光学的文字認識ソフトウェアを導入すれば、他社から届いた発注書や請求書などの紙文書もスキャンしてテキストデータ化し、クラウド上に保管することができます。手書きの文書を扱うことが多い場合は、AIを活用したAI-OCRが手書き文字の識字率が高くおすすめです。

定型業務の効率化に効果的なのが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。エクセルの入力作業やシステム入力、webからの情報収集などの、パソコンで行う定型作業を自動化するITツールです。単一作業だけでなくワークフローの自動化、さらにOCRと連携も可能で、たとえば経理の清算業務なら、「AI-OCRで手書きの領収書をデジタル化」→「RPAで経費精算システムへの登録から承認フローまでを自動化」といったことも実現できます。入力漏れなどの人為的ミスもなくなり、複数人によるチェックが不要になる点もテレワーク向きといえるでしょう。

最後の「見える化」に最適なITツールが、ITサービス管理ツール(サービスデスクツール)です。とくにIT部門のテレワークで問題になりやすい、複数人が絡むヘルプデスク/サービスデスクの問い合わせ管理やインシデント管理に適しており、グループチャットでのやりとりのように情報が流れてしまうことなく、進捗状況やボール保持者を一元化・可視化することができます。数多くの製品がありますが、選ぶポイントとしては「機能性」はもちろんのこと、自社の業務プロセスやルールをそのままシステム化できる「柔軟性」はあるか、「スピーディかつスモールスタートが可能」か、というあたりを重視すると良いでしょう。

以上、ウィズ・コロナ時代の働き方改革の必要性と、その際にネックとなるバックオフィス部門のテレワークの課題解決方法について紹介してきました。3つのITツールについても紹介しましたが、いきなりすべてを揃える必要はありません。まずは「できるところから始めてみる」こと。ウィズ・コロナ時代の企業になにより必要なのは、そうした前向きな姿勢かもしれません。

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