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2024年9月16日

体験価値を高める——エンタメ業界でのバーチャル・生成AI活用事例

他業界でも使える!エンターテインメント業界の“心を動かす”IT・デジタル活用事例<後半>

体験価値を高める——エンタメ業界でのバーチャル・生成AI活用事例

XR活用事例
〜未知の体験を味わえるコンテンツ〜

XR(クロスリアリティ)は、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)の総称で、現実世界と仮想世界を融合させる技術を指します。それぞれの技術の特徴は、↓の記事で詳しく紹介しています。

XRとは|DX-labo

いずれも今までにない体験を提供できる技術ゆえ、さまざまなエンタメコンテンツで使われていますが、いち早くAR技術を活用して注目を集めたのが、米Nianticと任天堂株式会社、株式会社ポケモンが共同開発したスマートフォン向けゲームアプリ『ポケモンGO』です。今更説明は不要かもしれませんが、スマートフォンの内蔵カメラと位置情報機能を使ったゲームで、現実の風景に本当にポケモンが存在しているかのように見えることが世界中に驚きを与えました。

【公式】『Pokémon GO』 初公開映像|ポケモン公式YouTubeチャンネル


VRも多くのゲームで活用されています。その中で代表的存在と言っても過言ではないのが、チェコのゲーム開発会社Beat Games が開発したVRリズムゲーム『Beat Saber』です。

PS VR2『Beat Saber』Queen Music Packトレイラー|PlayStation Japan

ゲームの内容は、両手に持ったコントローラーで光るサーベル(剣)を操作し、画面奥から流れてくる立体物を音楽に合わせて斬っていく、というもの。シンプルな内容ながら、ヘッドセットを装着することでVRならではの抜群の迫力と臨場感が楽しめます。

他にもVRは、演劇やミュージカル、スポーツエンターテイメントの分野などでも活用されています。例えば総合格闘技イベント『RIZIN』では、コーナーなどに設置したVRカメラで撮影した試合映像をアプリで配信。ユーザーはVRゴーグルを装着して、3D立体視映像で試合を観戦することができます。

メタバース活用事例
〜リアル世界を完全再現したバーチャルイベント〜

メタバースとは、XRを用いてインターネット上に構築するバーチャルな3D空間を指します。ユーザーは自分の分身であるアバターを介して参加し、他ユーザーとのコミュケーションや商品の売買をおこなうことができます。

メタバースの特徴やメリットについては↓の記事が参考になるでしょう。
今のうちに押さえておきたい「メタバース」の基礎知識|SmartStage

メタバースを活用してイベントの認知拡大やブランド価値向上につなげているのが、株式会社W TOKYOが運営する『東京ガールズコレクション』。年2回開催されている日本最大級のファッションイベントです。

2022年3月にローンチしたのが、スマートフォンアプリ『バーチャルTGC』。企業や地方自治体がブース出展するなど、実際のイベントの世界観をバーチャル空間に完全再現したアプリで、パブリックビューイングではリアル会場からの生配信もおこなっています。

バーチャルならではの楽しみも充実しています。巨大迷路や滑り台、実際のイベント出演者によるトークイベントなど、アプリ限定のコンテンツも用意。ユーザーは最新トレンドを取り入れたスタイリングやヘアスタイルを選んでオリジナルアバターを作成できるほか、アプリ内のイベントで入手できるデジタルコインを使って、アバター用の服やアクセサリーを購入することもできます。

参照:TGCの世界観を完全再現!TGC公式メタバース「バーチャルTGC」本格ローンチ!|株式会社W TOKYO

イベントにメタバース活用をしているのは、エンターテイメント業界の企業だけではありません。関西私鉄大手の阪神阪急ホールディングス株式会社は、同社が百貨店を構える大阪・梅田の街をメタバース上に忠実に再現。Vtuberなどバーチャルアーティストによる音楽ライブを始め、さまざまなイベントを開催しています。

JM梅田ミュージックフェス(β) 第一弾PV|JM梅田|阪急阪神ホールディングス株式会社

参照:JM梅田│HH cross EVENTS│阪急阪神ホールディングス株式会社

生成AI活用事例
〜画像・音声生成ツールによるコンテンツ制作〜

現在もっとも注目を集めているテクノロジーと言えば生成AI。その分、批判の声も少なくなく、エンターテインメント業界でもさまざまなリスクや問題点が指摘されていますが、既に制作プロセスに生成AIを活用した作品やコンテンツは登場しています。

Netflixは2023年1月、実験的に制作した短編アニメ作品『犬と少年』をYouTubeで公開。クリエイターの負担を減らすために背景画の制作に画像生成AIを活用し、大きな話題になりました。

アニメ・クリエイターズ・ベース アニメ「犬と少年」本編映像 – Netflix|Netflix Japan

参照:アニメ・クリエイターズ・ベース アニメ「犬と少年」本編映像 – Netflix|Netflix Japan


世界最大手の音楽配信サービス『Spotify』は、2023年2月、米OpenAIの生成AI技術を活用したAI DJ機能をアメリカとカナダでリリース。簡単に言うと、ユーザーの聴取データなどを学習したAIが1人ひとりの好みに合わせて選曲してくれるサービスですが、それだけではありません。

Introducing DJ | Spotify

AI DJのもうひとつの大きな特徴が、人間のラジオDJのように曲やアーティストの情報などを喋って聞かせてくれること。音声は実在するDJの声から生成したもので、語り口も極めて自然。まさに自分一人のためのラジオ番組といったサービスです。当初は英語版のみでしたが、2024年7月にはスペイン語版がリリースされています。

参照:Spotify Debuts a New AI DJ, Right in Your Pocket|Spotify

他にも、NetflixのAIを活用した精緻なレコメンデーションシステムや、日本を代表するエンターテインメント企業である吉本興業株式会社のメタバース、タレントアバター事業など、注目したい事例を挙げていけばキリがありません。

IT・デジタル技術については、長々とした説明を聞くよりも、実際にそうした技術を使ったエンタメ作品なりイベントなりを体験するほうが、ずっとその魅力や可能性を理解しやすいケースがよくあります。今回取り上げた技術の中に、もし自社への導入を迷っているものがあれば、事例として紹介したコンテンツやサービスを一度試してみるのも良いかもしれません。

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