バーチャルヒューマンと生成AI
バーチャルヒューマンとは
~バーチャルヒューマンとAIの融合~<後半>
前回は、バーチャルヒューマンの概略、メリット・デメリット、導入が見込まれる分野などについて解説しました。今回は、バーチャルヒューマンと最新のAIである生成AIや、取り組み事例について紹介します。
近年、AIはさらに進化を遂げています。2022年に登場したChatGPTは生成AI(Generative AI)といわれ、ユーザーの問いに対して、今までになかったような、なめらかな答えを返すことでその名が社会に広がりました、ここ1年で急速に活用が増えAIの活用に大きなインパクトを与えるようになっています。
生成AIとは、非常に大規模大なデータを学習した統計モデルにより、画像、文章、音声、プログラムコード、構造化データなどさまざまなコンテンツを生成することのできる人工知能です。
OpenAI社のChatGPTの他にも、GoogleのBard、MicrosoftのBeingなどさまざまなものがでてきています。
また、このなかでも画像生成AIは、テキストやデータなどの入力情報から画像を生成します。機械学習やディープラーニングを使って、既存の画像データから特徴を学習し、それらの特徴をもとに新しい画像を生成します。
バーチャルヒューマンは、これらのなめらかな言語の受け答えや・画像生成などの最新AIテクノロジーを使って飛躍的な進化を始めています。
バーチャルヒューマンと生成AIを融合させた取り組み事例
AIキャラクターによる「AIバイト」(Gatebox株式会社)
「AIバイト」は、AIキャラクターをChatGPTと連携させ、企業の接客業務を行うサービスです。「AIバイト」が店舗や展示会場などでの接客・商品説明を行い、未来のおもてなしサービスを提供しているものです。
「AIバイト」は顧客とのインターフェースにChatGPT、そしてより詳しいクライアントの製品・サービスなどの内容は、新たに情報(別途データベースを追加)をAIに教えて、顧客と会話しながら、クライアント企業の情報を正確に伝えます。普段の会話もできる上に、サービスの情報を顧客に提供することができる点が、バーチャル店員としてのAIバイトの強みです。
トライアル版として、USEN-NEXT GROUP本社オフィスにあるカフェ「Neiro」対応や、マクアケのオフィスでの接客・プロジェクトの説明員としての実証実験対応、サントリーでの社内イベントでもバーテンダー並みの知識で、ウイスキーの解説するアルバイトなども実際に行っています。
AIバーチャルヒューマンを活用し、全く新しい顧客体験を創出(株式会社セカイエ)
株式会社セカイエは、最先端のAIテクノロジーで生成したリアリスティック・クオリティーのバーチャルヒューマンをマーケティングに活用するサービスを提供しています。
AIによる今までにないリアルな独自・固有の顔を持つバーチャルヒューマンを開発・レンタルし、プロモーション・販促、ブランディング、広告などの領域に活用しています。
メタバースや5Gを活用したコンテンツの拡張、DX化を推進し、リアルとバーチャルが融合した今までにない驚きや全く新しい顧客体験を創出することで、商品・サービスの提供価値を高め、新たなビジネス機会を生み出す支援をしています。
セカイエの提供するバーチャルヒューマンは、既存のCGI(コンピューターグラフィックス生成技術)や3DCGでつくられたバーチャルヒューマンとは一線を画しています。AIによるリアル型バーチャルヒューマンは、海外のスタートアップと組んだ、AIによるバーチャルヒューマン合成技術を使い、50カ国以上の言語に対応し、顔認識・ボイスクローニング・音声合成技術といった最先端のAI技術によって生み出されています。
まとめ
バーチャルヒューマンというと、人型ロボットのPepperやASIMOなどを思い浮かべがちですが、むしろ今進化しているのは、会話能力のスムースさや、画像処理の動きの人への類似性です。今後、これらのテクノロジーがさらに物理的な人型ロボット進化まで波及すると、SF映画などに登場するバーチャルヒューマンの登場へと結びつくかもしれません。