デジタルトランスフォーメーションをもっと身近に

社員の行動が変わる! DXの前提となるマインド・スタンスとは?

DX成功に欠かせない7つのマインド・スタンス<前半>

知識だけではDXは進まない

以前、リスキングに関する記事でもお伝えしたように、デジタルトランスフォーメーション(以下:DX)を成功させるためには、社内で少数精鋭の推進人材を育成したり、外部から登用したりするだけでは不十分です。DXは全社的な変革=トランスフォーメーションを目指す取り組み。経営者も含めた全社員が、IT・デジタルに関する必要最低限のリテラシーを習得する必要があります。

経済産業省は2022年3月に公表した『新たなDXリテラシー標準の検討について』という資料で、そのようなDXを推進していく上で必要なリテラシーをDXリテラシーと名付け、次の3つの枠組みに分類しています。

■「DXの背景(Why)」

人々が重視する価値や社会・経済の環境がどのように変化しているか知り、DXの重要性を理解する。

■「DXで活用されるデータ・技術(What)」

特にビジネスの場で活用されているデータや技術について知る。具体的には、クラウドやAIなどのデジタル技術、ネットワークの基礎的な仕組みなどを知り、データの読み方や扱い方を習得する。

■「データ・技術の活用(How)」

ビジネスの場でデータや技術を活用する方法や留意点を理解し、活用できるようになる。具体的には、デジタルツールの活用法やデータ・デジタル技術の活用事例、セキュリティ・モラル・コンプライアンスなどの留意点を習得する。

同資料によれば、DXリテラシーを習得する狙いは「働き手一人ひとりが、DXを自分事としてとらえ、変革に向けて行動できるようになる」こと。社員が自社のDXの方向性について理解・納得した上で、アイデア出しから実践まで、自主的・積極的に取り組んでもらえるようになるということです。

ただし、「自主的・積極的」な「行動」といっても、DXでは仕事の進め方や思考・発想方法を従来のやり方からアップデートする必要があるため、単に上記のリテラシーだけを習得しても効果的とは言えません。行動変容は意識改革から。そこで、そのリテラシーと併せて紹介されているのが、今回のテーマである「マインド・スタンス」です。

規範化・習慣化すべき意識

マインド・スタンスとは、直訳すると“意識・思考の姿勢”といったような意味の言葉です。経済産業省の資料では、「個人が社会変化の中で新たな価値を生み出すために必要な意識・姿勢・行動を定義し、個人が自身の行動を振り返るための指針、及び組織・企業がDX推進や持続的成長を実現するために構成員に求める意識・姿勢・行動を検討する指針とする」と書かれています。

いささか回りくどい説明ですが、もっと簡単に「DXを推進するために規範(指針)とすべき意識・姿勢・行動」と言い換えても良いでしょう。「規範(指針)とすべき」とは、「習慣化すべき」という意味でもあります。対象となるのは、当然ながら経営者を含む全社員。資料では、以下の7つのマインドが挙げられています。

「変化への適応」
「コラボレーション」
「顧客・ユーザーへの共感」
「常識にとらわれない発想」
「反復的なアプローチ」
「柔軟な意思決定」
「事実に基づく判断」

いずれもデザイン思考やアジャイルな開発・組織作りなど、DXで求められる迅速、柔軟、そしてイノベーティブな行動・取り組みにつながるマインドであることが特徴です。

例えば最初の「変化への適応」は、書籍やWebメディアなどから最新テクノロジーに関する情報を仕入れたり、関係各所に情報共有する際に、メールのCC機能ではなく、SlackやChatworkといったチャットサービスを活用したりする行動などを指します。もちろん、こうした行動自体はDXとは呼べませんが、日常的な情報収集や新しいITツールで効率化に取り組む姿勢は、変革を目指すDXにおいて基本的なマインドと言えるでしょう。

残り6つのマインドについては、次回の記事で解説していきます。

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