DX人材とは?
いま、DXで求められる人材とは?
~DXの要となる人材の種類と育成ポイントなどを解説~<前半>
経済産業省は、DXで求められる人材を「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」で、次のように定義しています。
-DX 推進部門におけるデジタル技術やデータ活用に精通した人材
-各事業部門において、業務内容に精通しつつ、デジタルで何ができるかを理解し、DXの取り組みをリードしその実行を担っていく人材
では、具体的にはどのような人材なのでしょうか?この記事では、なぜDX人材が必要なのか、具体的にはどのような人材なのかを、わかりやすく解説します。
なぜDX人材が必要なのか?
なぜ今DX人材が必要と言われるのでしょうか?
経済産業省の定義をもう少し整理すると、DX人材とは、デジタル技術やデータ活用に精通した人材、DXの取り組みをリードする人材、DXの実行を担っていく人材、ということになります。つまり、DX人材は、「デジタル技術に精通している人材」と「DXを実際にリード・実行する人材」とに、大きく2つに分けることができます。
よく誤解されがちですが、DX人材はAIやIoTなどの「デジタル技術に精通している人材」と思われがちですが、それだけでは不十分です。実際にDXを進めるためには、顧客やマーケットのDXに対するニーズを理解できたり、DXプロジェクトを統括して進めることができたりする「DXを実際にリード・実行する人材」が必要とされます。両者が連携することで、初めてDXは進みます。
この「デジタル技術に精通している人材」は分かりやすいです。今までも○○技術に精通した人材、というのは新しい○○技術が出現するたびに必要とされてきた人材です。
ただし、後者の「DXを実際にリード・実行する人材」は具体的にはどのような人材なのでしょうか?これらは実は分かったようで、分かりにくい人材像なのです。
さらに、DXでは既存ビジネスのように、決まったゴールに対してPDCAで進める手法ではうまくいきません。OODAやアジャイル、デザイン思考などを使った新しい手法を使える人材が必要とされます。
そのため、今まで必要とされてきた人材とは異なり、DX人材と言われる人材が必要となっているのです。
DX人材の6つの職種
ここではDX人材を6つの職種に分けて解説します。
・ビジネスプロデューサー
「DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー的な人材」です。 ビジネスプロデューサーの役割は「顧客・パートナー・事業部門などのさまざまなステークホルダーとの関係を構築・維持し、DXの創出から事業化までの全プロセスを一貫して統括する」ことです。
・ビジネスデザイナー
「DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進を担う人材」です。役割は「マーケットや顧客の課題やニーズをくみ取り、デザイン思考などを使ってビジネスやサービスを創出し、ステークホルダーとともにDX・ビジネスを企画・デザインする」ことです。
・アーキテクト
「DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材」です。役割は「デジタルに関するハードウェア・ソフトウェア技術を活用し、顧客のDXを実現するためにシステム全体のITアーキテクチャを設計する」ことです。
・データサイエンティスト/AIエンジニア
データサイエンティスト/AIエンジニアは「センサー・5G・ネットサービスなどにより収集・蓄積されたビッグデータから、AI・BIなど活用して知見を引き出すDX技術の中核をなす人材」です。
・UXデザイナー
「DXやデジタルビジネスのユーザー向けのデザインを担当する人材」です。高度なデジタルテクノロジーを活用するためにUXをデザインで使いやすくすることは重要な役割です。
・エンジニア/プログラマー
「デジタルシステムの実装やインフラ構築などを担う人材」です。AIプログラムの実装やインフラ構築を行い、DX・デジタルでよく使われるアジャイル手法などを使います。
今回は、DX人材の必要性と具体的な6つの職種についてお伝えしました。次回はこれらの職種を大きく2つの人材に分け、そのなかでもビジネスプロデューサー/ビジネスデザイナーを中心に詳しく解説します。