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ブロックチェーンは何が凄いのか?

暗号資産だけじゃない!ビジネスで活用が進むブロックチェーンの基礎知識<前半>

インターネットに匹敵する発明

数年前の暗号資産(仮想通貨)ブームで一躍注目を集めたこともあり、いまだに「ブロックチェーン=暗号資産」というイメージを持っている方は多いかもしれません。確かにブロックチェーンは、もともと暗号資産の代表格であるビットコインの取引の仕組みを支えるために発明された技術でした。しかしその後、汎用的な技術として発展を続け、今や“インターネットに匹敵する発明”と言われるほど、ビジネスにおいてもその可能性が期待される存在となっています。

■ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンとは、取引データを効率良く管理するための、暗号技術をベースにした仕組み(データ構造)を指します。その特徴を一言で言うと、「非中央集権的」であること。従来の取引では、中央銀行や登記、会計監査といった〈中央管理者・第三者機関〉の存在が不可欠でしたが、ブロックチェーンの技術を活用することで〈利用者間同士の直接取引(P2P:Peer to Peer)〉が可能になります。何よりもこの取引の仕組みを変える革新性こそが、ブロックチェーンが“インターネットに匹敵する発明”と言われている理由です。

ブロックチェーンとは?

従来型のシステム(データベース)との違いを見てみましょう。上図左のように特定の第三者機関(サーバー、クライアント)が取引履歴などを集中管理するのが従来型のシステム。それに対し、右のように取引の参加者全員がノード(サーバーやコンピュータ)を直接接続し、すべての取引履歴(トランザクションデータ)を分散的に共有・管理するのがブロックチェーンの仕組みです。

なお、「ブロックチェーン」という呼称は、下図のように取引履歴を取りまとめる「ブロック」が時系列順に一本の鎖(チェーン)のようにつながっていることに由来すると言われています。日本語では「分散管理台帳技術」と呼ばれています。

分散管理台帳技術

参照:第11回_デジタルサービス実現 応用編②ブロックチェーンの活用|経済産業省YouTube

ブロックチェーンのメリットと種類

■ブロックチェーンのメリット

ブロックチェーンは従来型のシステムに比べて以下の3つの点で優れていると言われています。

‐故障・障害耐性が高い

従来の中央集権型のシステムでは中央の管理者(管理体)に障害が発生した場合にシステム全体が停止してしまう可能性がありますが、ブロックチェーンは各ノードが分散して同じデータを管理しているため、一部に不具合が生じてもシステムを維持させることが可能です。

‐データの改ざんが困難

ブロックチェーン上の取引履歴は時系列順に連鎖して保存されています。一部のブロック内の情報を改ざんすると、それ以降のブロックもすべて作り直す必要があり、かつ他の参加者の承認も受けなければなりません。こうした仕組みにより、ブロックチェーンは信頼性・透明性が高いデータを保持することが可能となっています。

‐コストを抑えられる

中央で取引を管理する第三者機関が不要になることにより、取引の仲介や大規模なシステム構築などにかかるコストを削減できます。

■ブロックチェーンの種類

ブロックチェーンのプラットフォームには、誰でも参加できる〈パブリックチェーン〉と、特定の組織などで構成される許可制の〈パーミッションドチェーン〉の2種類の形態があり、パーミッションドチェーンはさらに単一組織が管理するプライベート型と複数の組織やグループで構成されるコンソーシアム型に分かれます。

ブロックチェーンの種類

ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産では、透明性の高いパブリックチェーンが用いられています。一方、パーミッションドチェーンは、機密性と合意形成のスピードが求められるエンタープライズ(B to B)向けのプラットフォームでの活用が目立ちます。

では現在、実際にブロックチェーンはビジネスでどのように活用されているのでしょうか。次回記事で企業の活用事例を紹介します。

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