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DX基礎用語集Vol.1 ~前編:戦略関連~

知らなきゃマズイ!? DX基礎用語集Vol.1<前半>

DX基礎用語集Vol.1 ~前編:戦略関連~

DXに取り組む上で最低限知っておきたい用語を、基礎からトレンドまで10個紹介します。前編はマインドや方法論を含め、主にDXの戦略づくりに役立つ言葉をピックアップ。全部知っているかどうか、是非チェックしてみてください。

ダイナミック・ケイパビリティ

戦略経営論における学術用語で、「環境や状況が激しく変化する中で、企業が、その変化に対応して自己を変革する能力」(『2020年版 ものづくり白書(概要)』経済産業省・文部科学省・厚生労働省)、すなわち「企業変革力」を指します。

ダイナミック・ケイパビリティに必要とされる能力は以下の3つです。

  • 〈1〉「感知(Sensing)」:機会(または危機)を察知・評価する能力
  • 〈2〉「捕捉(Seizing)」:企業内外の資源を組み替えながら機会を捕捉する能力
  • 〈3〉「変容(Transforming)」:競争優位性を持続させるための自己変容能力

現在、こうした企業の能力を強化するために最適な取り組みがデジタル技術の活用です。前掲の『ものづくり白書』では製造業での有効な活用法として、「データの収集・連携」「AIによる予測・予知」「3D設計やシミュレーションによる製品開発の高速化」「変種変量」「柔軟な工程変更」といった例が挙げられています。

デジタイゼーション

紙書類の電子化や承認フローの自動化のように、IT・デジタルツールを導入して社内業務の特定の工程を効率化・省人化する取り組みのこと。「デジタライゼーション」と似た言葉ですが、デジタライゼーションは社内外向け問わず、業務や施策のプロセス全体のデジタル化を意味します。

また、ベンダーやメディアによってはデジタイゼーションの取り組みをDXと呼ぶケースが見受けられますが、厳密には正しくありません。IT・デジタル技術を活用すると点では共通しているものの、DXは競争力確保のために組織やビジネスを根底から変革するものであり、デジタイゼーション(とデジタライゼーション)はあくまでその第一歩と捉えるべきです。

デジタイゼーションの代表的取り組みであるペーパーレス化については、こちらの記事で詳しく解説しています。
企業にとってペーパーレス化が重要な理由(DX-labo)

ユニファイドコマース

とりわけコロナ禍以降、急速にEC化・デジタル化が進む小売業界で注目を集めている戦略です。簡単に言うと、実店舗とECの垣根を取り払い、シームレスな顧客体験を提供する取り組みを指します。

同様の手法として、店舗とECの販売・物流チャネルを連携して販売機会の損失を防ぐ「オムニチャネル」という戦略も知られていますが、ユニファイドコマースは顧客接点における体験価値にフォーカスし、顧客ロイヤリティを重視する点が特徴です。

施策の鍵となるのが、情報の一元化とOne to Oneのアプローチ。具体的には実店舗とEC間での顧客データの一元化、販売データのリアルタイム連携、さらにZoomでの店舗スタッフによるオンライン接客やチャットを使った問い合わせ対応などが該当します。

アジャイル

アジャイル(agile)は「俊敏な」「すばしっこい」といった意味の言葉です。DX推進組織に欠かせない思考・マインドセットであり、経済産業省『DXレポート2 中間取りまとめ(概要)』にも、「心理的安全性の確保(失敗を恐れない・失敗を減点としないマインドを大切にする雰囲気づくり)」とともに、「アジャイルマインド(俊敏に適応し続ける精神)」を共有することの重要性が記されています。

この「俊敏に適応し続ける」という説明にも顕著なように、アジャイルで大切なのは「状況や環境に応じて」素早く対応すること。ただスピーディーであれば良い訳ではありません。そしてそのために必要な要素が「顧客(ユーザー)との協調」です。

2001年にアメリカの開発者によって発表され、アジャイルという言葉が広まるきっかけとなった『アジャイルソフトウェア開発宣言』という資料でも、「顧客とは契約交渉よりも協調に価値を置くべき」「顧客にとって価値のないシステムを作っても意味はない」といったことが述べられています。

アジャイルソフトウェア開発(アジャイル開発)については、こちらの記事で詳しく解説しています。
要注意!アジャイル開発導入前に知っておきたい“よくある勘違い”(SmartStage)

リーンスタートアップ

新規事業や新製品・サービス開発に関する方法論の一つ。もともと米・シリコンバレーの起業家が提唱した概念で、リーン(Lean)は「スリムな」「引き締まった」といった意味の言葉です。

その名の通り、特徴は短期間・低コスト。事前に綿密な計画を策定することなく、仮説に基づいてMVP(Minimum Viable Product:最小限の機能を実装した製品・サービス)を素早く作成し、ユーザーからのフィードバックを得ながら改良や軌道修正のサイクルを繰り返していきます。最小のリスクでユーザーニーズに合った製品・サービスを生み出すための手法と言えるでしょう。

特にモバイルアプリやWebサービスの開発に向いているとされており、日本でも大企業のネット事業などで導入されています。先に紹介したアジャイルとも親和性が高いことから、両者のやり方を一体化させて開発に生かしている企業もあります。

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