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DX銘柄2022 グランプリ選定企業(取り組み紹介)

DX銘柄2022
~2022年のDXグランプリ銘柄を含めて解説~<後半>

前回は、経済産業省がDXの推進に向けて選定する「DX銘柄」の趣旨や、選定基準や方法、そしてDXの進み具合などについてお伝えしました。今回はDX銘柄2022のなかでもグランプリに選定された「中外製薬株式会社」と「日本瓦斯株式会社」の2社の取り組み内容について具体的に解説します。

中外製薬株式会社

中外製薬株式会社は、取り組みの網羅性が高く評価されました。成長戦略にDXを位置づけた上でデジタルに関わる方針を掲げ、創薬・生産・医療関係者・患者といったステークホルダー全てに利のあるDXを目指している点が特に注目されました。

経営ビジョンにおけるDXの位置づけ

経営ビジョンとして、成長戦略「TOPⅠ2030」を策定し、そのKey Driverの1つにDXを位置付けています。DXの推進に当たっては、CHUGAI DIGITAL VISION 2030を掲げ、「デジタル技術によって中外製薬のビジネスを革新し、社会を変えるヘルスケアソリューションを提供するトップイノベーターになる」ことを目標としています。培ってきた独自のサイエンス力・技術力に最先端のデジタル技術を掛け合わせ、ビジネスのど真ん中でDXを推進することで、患者さん中心の高度で持続可能な医療を実現していきます、としています。

DX推進のためのデジタル基盤強化

経営ビジョンとして、成長戦略「TOPⅠ2030」を策定し、そのKey Driverの1つにDXを位置付けています。DXの推進に当たっては、CHUGAI DIGITAL VISION 2030を掲げ、「デジタル技術によって中外製薬のビジネスを革新し、社会を変えるヘルスケアソリューションを提供するトップイノベーターになる」ことを目標としています。培ってきた独自のサイエンス力・技術力に最先端のデジタル技術を掛け合わせ、ビジネスのど真ん中でDXを推進することで、患者さん中心の高度で持続可能な医療を実現していきます、としています。

・Digital Innovation Lab
社員のアイデアを具現化し、デジタルの観点から業務改善や新たな価値創造を創出する仕組みで、過去400件以上のアイデアから10件以上の本番開発を実現し、トライ・アンド・エラーや失敗の許容、挑戦する風土を形成しています。

・Chugai Digital Academyb
デジタル人財を体系的に育成する仕組みをで、データサイエンティストを始め100名を超える人財を育成しています。

・Chugai Scientific Infrastructure
全社データ利活用のための、ビッグデータをクラウド上に整備し、DX推進のコストを1/11に削減し、構築期間の大幅短縮を実現しています。

デジタルを活用した革新的な新薬創出

以下の3点により、デジタルを活用した革新的な新薬創出に結びつけています。

  • ① AIを活用した革新的創薬の実現
  • ② リアルワールドデータといわれる電子カルテ・調剤レセプトなどの活用
  • ③ デジタルバイオマーカーといわれるウェアラブルデバイスやアルゴリズムの開発による患者情報の可視化

すべてのバリューチェーンの効率化

以下の4点で、デジタルを活用したバリューチェーンの効率化を図っています。

  • ① 営業プロセス改革(顧客データの統合的な解析を通じたソリューションの開発など)
  • ② 治験のデジタル化(AIによる治験関連文書の作成効率化ほか)
  • ③ デジタルプラントの実現(デジタルを活用した自動化、遠隔支援ツール、ペーパーレス化の推進など)
  • ④ 定型業務の自動化(RPAを始めとする自動化ツールの適用)

日本瓦斯株式会社

日本瓦斯株式会社は、DXをエンジンとした新規ビジネスへの挑戦とその実現能力が高く評価されました。同社は2016年以降連続で選定される常連企業でしたが、毎年ビジョンと取り組みが進展していることに加え、インフラ領域の変化に対応して新たなビジネスを創出する意気込みが注目されています。

経営ビジョンにおけるDXの位置づけ

経営ビジョンでは、従来のエネルギー小売という概念を捨て、エネルギーソリューションへと事業を進化させるとしています。また、お客さまにエネルギーをお届けするだけでなく、太陽光発電やEVなどを提供してスマートハウス化し、さらにメタバースなどを使い、広く地域社会に対して最適なエネルギー利用を提案していく、としています。

DX推進のために取り組んでいる環境整備(組織、人材、評価の仕組み、企業文化・風土の変革など)

優秀な人材を処遇する仕組みとして、専門人材向け給与体系、副業制度を整備し「変革に挑戦しないことがリスク」とし、挑戦し続ける風土を作っています。
DXの推進では、プロジェクト毎にエンジニア・UI・UXデザイナーが協働しやすくしており、既存の枠組みとらわれない組織を再定義しています。外部の連携を重視し、先端技術を保有するパートナーと協業しています。

DXの取組紹介

以下の2点を中心にDXを推進しています。

① プラットフォーム事業の拡大
独自のデジタル化した遠隔自動検針などを可能にするガスメーターなどの高効率な仕組みを「プラットフォーム」として他社と共同で利用する予定で2024/3期までにプラットフォーム事業化させる予定です。

② エネルギーソリューションへの挑戦
(Stage1)お客さまにガスと電気をセットでお届けします。
(Stage2)デジタルの仕組みで「スマートハウス」を実現します。
(Stage3)コミュニティ全体のエネルギーを最適化し「スマートシティ」を実現します。

まとめ

このように、経営Visionや制度・文化、そしてデジタル化を通じた本業の変革という本来のDXの姿に取り組み、実現しようとしている企業を評価するのが「DX銘柄」です。昨年からDXを推進する企業が増えているように、来年度の企業のDXも進化するのは間違いないと考えられ、「DX銘柄2023」も目が離せないといってよいでしょう。

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