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ローコード・ノーコード開発の特徴

デジタルの民主化とローコードおよびノーコード開発
~ローコード・ノーコード開発の特徴~<後半>

前回は、デジタルの民主化とローコード・ノーコード開発の概要についてお伝えしました。今回は特にローコード・ノーコード開発の特徴として、従来開発との違いやメリット・デメリットについて解説していきます。

ローコード・ノーコードと従来開発との違い

人々がコンピューターを利用するためには、OS上に企業が行う業務や提供するサービスなど目的に応じた機能を実行するアプリケーションが必要です。一般的には、これらのアプリケーションはC言語やJAVA、Rubyなどさまざまなプログラミング言語を使ってコーディングし、そのソースコードを、コンピューターが読み込んで実行します。
このような従来型のアプリケーション開発は「スクラッチ型」といわれます。このスクラッチ型の開発では、プログラミング言語によるコーディングが必須なため、プログラマーなどのIT人材が求められ、開発コストやある程度の時間も必要とされます。その分、利用者の要望にそった独自性の高い使いやすいアプリケーションの開発が可能です。

一方で、ローコード・ノーコード開発では、GUIを使ったプラットフォームを活用することで、技術的なハードルが低くなるため、高度なIT人材が必要ではなくなり、コストを下げたり開発時間を短縮したりすることができます。
しかし、スクラッチ開発とは異なり、開発プラットフォームが用意するテンプレートなどを利用するため、機能が限られ、拡張性なども限定的です。
(※ただし、ローコード開発のプラットフォームのなかには、拡張性のあるオープンAPIを利用できるものもでてきています)

ローコード・ノーコード開発のメリット

ローコード・ノーコード開発の、代表的なメリットを紹介します。

開発期間の短縮が可能

GUIを使ったドラッグ&ドロップなどの直感的な操作でスピーディに開発ができるため、開発時間を短縮することができます。

開発コストの削減ができる

コーディングが不要になることで、外部のITエンジニアなどへの発注コストを抑制することが可能です。

エンジニアのスキルに依存しなくて済む

ノーコード開発では、コーディングの必要がないことから、非ITエンジニアによるシステム開発が加速すると考えられます。ローコード開発でも、コーディング量は少なく、ITエンジニアの高度なスキルに依存しなくてよくなります。

最新IT技術の利用が可能

IT業界は常に新しい技術が取り入れられますが、新たに登場した先進技術も、ローコード・ノーコード開発のプラットフォームに順次組み込まれることから、利用者は意識することなく最新技術を利用できます。

業務の要件が正しく反映されやすい

自社の業務をよく知る社員が自ら開発を行うため、業務の仕様や要件をシステムに正しく反映させやすくなります。

ローコード・ノーコード開発のデメリット

ローコード・ノーコード開発にはデメリットもあるため、代表的なものを以下に紹介します。

自由度があまりない

ローコード開発もですが、特にノーコード開発では、機能面での自由度や拡張性はあまりないため、大規模開発や複雑なシステムへの適用は厳しいと考えておいたほうがよいでしょう。
スクラッチ開発に比べて、開発プラットフォームへ依存度が高いローコード・ノーコード開発では、機能・デザインなどカスタマイズがほぼできないため、プラットフォームのテンプレートなどの制約に縛られがちです。この点は十分に留意が必要でしょう。

ツールの知識が必要

プラットフォームの提供企業の多くが国外の企業のため、サポートが英語だったりするなど、開発面以外のハードルも存在します。
また、プログラミング言語などのITエンジニアほどの知識は必要ではありませんが、プラットフォームに関する知識は新たに求められます。ある程度使いこなせる人材の育成は必要となるでしょう。

まとめ

このように、最近ローコード・ノーコードはデジタルの民主化の切り札的な要素としていわれるようになりました。もともとは経産省から「DXレポート~2025年の崖」として深刻なIT人材不足に陥るとして警笛がならされており、これに対する明確な解決策はいまだ見えないままでしたが、ローコード・ノーコード開発の出現によって、今後解決の糸口となるかもしれません。
SIerのIT人材に頼るだけでなく、自身の業務のよく知る事業会社の人材自らがITのデジタル化を具体的に進めることによって、本当のデジタルの民主化が進むとも期待できるでしょう。

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