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ChatGPTとは?

ChatGPTとAI戦争の始まり ~GoogleやMicrosoftなどの動きは?~<前半>

ChatGPTサービスの状況(2023年5月現在)

ChatGPTは、高度なAI技術によって、人間のように自然な会話ができるAIチャットサービスです。2022年11月に公開され、無料で利用できる革新的なサービスとして注目を集め、生成した文章の見事さや人間味のある回答がSNSなどで大きな話題となりました。
その後、リリース後わずか2か月でユーザー数1億人を突破し、2023年に入ると米Microsoftが開発元のOpenAIに対して100億ドルを投資することが報じられるなど、機能面だけでなく成長性でも注目されています。

ChatGPTの仕組み

ChatGPT(チャットGPT)のGPTは「Generative Pretrained Transformer」の略です。ユーザーが入力した質問に対して、まるで人間のように自然な対話形式でAIが答えるチャットサービスです。
ChatGPTは、小説の自動生成やゲームでの会話を生成する用途で開発された、「GPT」という言語モデルがベースになっています。GPTは、与えられたテキストの指示に対して自然言語を生成するAIで、インターネット上にある膨大な情報を学習し、複雑な語彙・表現も理解できるのが特徴です。さらに過去の会話内容を記憶したり、内容に誤りがあった場合はユーザーが訂正したりできるなど、より自然な会話に近づくための機能が搭載されています。

これは、大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)と呼ばれ、大量のテキストデータを使ってトレーニングされた自然言語処理を行います。一般的には大規模言語モデルをファインチューニングなどすることによって、テキスト分類や感情分析、情報抽出、文章要約、テキスト生成、質問応答といった、さまざまな自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)タスクに適応することができます。

最新版のChatGPT-4とは?

ChatGPT-4とは、ChatGPT Plus(有料プラン:20ドル/月)に課金したユーザーが利用できる「GPT-4」を搭載したChatGPTの最新モデルです。「GPT-4」は、ChatGPT無料版に搭載されているGPT-3.5をより強力にしたものです。

ChatGPT-4は“抽象的な内容”を理解でき、高度な推論や複雑な指示の処理能力が強化されています。たとえば、画像の内容を説明する、グラフの分析、画像内の問題に答えたり、画像内の異常な部分を検出することができたりするといわれています。

AI戦争の始まり?

ここまではChatGPTについて述べてきましたが、ChatGPT出現のインパクトによりさまざまな動きが出てきています。
次回に述べるOpenAI社と連携したMicrosoftやGoogle以外にも、テスラのイーロン・マスク氏も動き出しており、スタートアップ企業の立ち上げを計画しているとされています。これらAIをめぐっては、開発競争がコントロールできない状況に陥っているなどとして、少なくとも半年間は開発を中断するよう求めることにマスク氏も賛同するなどさまざまな動きが出ています。なお、これらのAIは総じてジェネレーティブAIと呼ばれ始めています。

また、中国でもIT大手「百度」(バイドゥ)が4月、試験的に提供を始めたほか、「アリババグループ」が5月11日、サービスの提供を発表するなど開発競争が加速しています。一方で、中国は国家体制が異なるためインターネットを管理する共産党は、ジェネレーティブAIへの強力な規制案を公表しました。

ヨーロッパではこの加熱する一連AIの動きに対し、いち早くEUが規制に乗り出しました。規制案としてAIが作成した文章や画像に「メード・ウィズAI(AIで作成)」といったラベルを表示させる案も提案されています。イタリアではAIの使用を一時禁止するなど厳しい対応をとっており、EU各国でも、意見が分かれているのが実態です。

日本でも、サイバーエージェントが、同社の大規模な日本語データを活かし、日本語に特化した独自モデルを開発したことで、従来よりも自然な日本語の文章生成が可能となり、国内最大級ジェネレーティブAI の開発を発表しています。同時に、チャットボットやRPAなどとも連携させ、業界特化型のAIビジネスを目指すとの方針を打ち出しています

今回は、ChatGPTに始まる最新対話型AIであるジェネレーティブAIの動向と、AI戦争ともいわれはじめた、この業界の様相についてお伝えしました。次回はGoogleやMicrosoftが提供するジェネレーティブAIの開発競争や、プロンプトエンジニアリングなどについて解説していきます。

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