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自治体を中心に進む地域のDX

国や自治体の最新DX事例
~公共分野で進むDX~<後半>

前回は、公共分野で進むDX 事例として、郵政省と国土交通省の取り組み内容を紹介しました。今回は自治体を中心に進む地域のDX 事例として、さまざまな地域自治体でのDX取り組み事例をバックヤード(内部事務)とフロントヤード(住民接点)に分けて解説していきます。

自治体関連の事例
バックヤード(内部事務)の効率化

【新潟県長岡市】

RPA・AI-OCRにより100業務で約1.8万時間の削減、職員を本来業務へシフト

・全庁的な導入希望調査、職員のレベル別研修を実施し、全庁にRPA等を活用することにより、窓口対応や企画立案に職員を手厚く再配置しています。

・H30年度に25業務で2,000時間が、R4年度に100業務で約18,603時間作業時間削減を行っています。

・RPA導入ルール(シナリオ作成・管理方法等)策定やレベル別職員研修により、業務担当課職員が自発的にシナリオ作成できる環境を整備し、導入対象業務は業務に精通した業務担当職員が選定することにより、効果的な導入を行っています。

・これにより時間の削減、人的リソースを本来業務(窓口対応、企画立案、分析等)へシフトすることができています。

【兵庫県朝来市】

AIによる水道管路劣化診断で管路の更新作業等を最適化

・AIを活用し「管路劣化診断」、「管路台帳の不足項目補完」を行うことで、市全域の水道事業を4名の職員だけで効率的に運営しています。

・管路情報と土壌、地形情報等の環境ビッグデータを収集・解析し、AIによる管路劣化診断を実施することにより、ターゲットを絞った対応ができています。

・AIに管路台帳の不足項目(設置年、材質等)を補完させることにより、効率的な台帳整備を実施しています。

【東京都江戸川区】

児童相談業務にAIを活用し相談業務の強化と関連業務の効率化

・AIにより、通話内容に応じたマニュアル等の即時参照を可能とし、発話内容をリアルタイムで確認し、スーパーバイザーによる即時支援体制を強化しています。

・AIで電話の通話音声をリアルタイムでテキスト化するとともに、通話内容に応じてマニュアル等を即時に参照できるシステムを導入しています。

・通話内容の書き起こし等の機能により通話記録にかかる職員の業務負担の軽減を図るとともに、リアルタイムでの発話内容確認で、スーパーバイザーによる即時支援体制を強化しています。

自治体関連の事例
フロントヤード(住民接点)の強化

【東京都町田市】

AI・アバター・メタバースなどのトレンド技術を組み合わせ、「お役所仕事」を変えるDXプロジェクトを職員自らの手で開始

・大学との共同研究で、将来、町田市は「行政法人」として、デジタル社会における生活基盤(メタバース上)で、付加価値の高い行政サービスを、国内に留まらず、世界各地へ提供することで、デジタル上の市民の登録者1000万人からサービス収入を得る取り組みを行っています。

・「町田市デジタル化総合戦略」では、2022年4月から、I・アバター・メタバースなどのトレンド技術を組み合わせ、「お役所仕事」を変えるDXプロジェクトを職員自らの手で開始しています。

【鳥取県】

自治体発の「メタバース課」を設立、「メタバース関係人口」創出に取り組む

・Web3.0という新たな世界が広がる中で、NFTを活用した県を応援するプロジェクトの企画や、県の魅力の発信など、リアルな鳥取県の観光や物産の振興に加えて、これまでにない新たな関わり方を創出しています。県の知名度を世界中に発信することで、人口減少や高齢化などさまざまな問題解決につなげていこうとしています。

・さらに、AIアバター職員を採用し、24時間365日、メタバース空間を通じて世界中から県に興味を持つ人と、コミュニケーションを図る予定です。

まとめ

DXというと、たとえば無人コンビニによる人員の効率化や、スマホを使った商品やサービスの利用など、民間の身近なものをイメージしがちです。一方で、紹介したような省庁や自治体などでも、着々と進んでいるのがお分かりいただけたと思います。このように、どんな分野でもDXは活用され始めていて、今度DX適用のスピードが上がることはあっても下がることはないといってよいでしょう。

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