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PLGとは

PLG(プロダクト・レッド・グロース)とは? ~DX時代のビジネスのありかた~<前編>

PLGとは

PLGとは「Product-Led Growth(プロダクト・レッド・グロース)」の略で、日本語で直訳すると「プロダクトが主導する成長」という意味です。具体的には、プロダクトの中にマーケティング・セールス・カスタマーサクセスなどが組み込まれ、顧客がプロダクトを経験することによってビジネスの成長につなげていくことを指します。
また、ユーザーのプロダクトの解約率を下げたり、アップセル・クロスセルにも繋げたりすることができるDX時代の新しいビジネスモデルとも言えるでしょう。PLGに対応するプロダクトを開発・投入できれば、マーケティングやセールスプロセスに多くの人的リソースを割くことをしなくてもビジネスを成長させることが可能になります。

PLGとフリーミアム・フリートライアル

PLGでは、無料で利用できる期間を設けた「フリートライアル」や、無料で利用できる一方で機能が制限された「フリーミアム」戦略を採用することで、新規顧客を獲得することが可能になります。これらでは、無料で利用できる期限を制限したり、機能・人数・容量などを制限したりすることで、無料プランから有料プランへと誘導する仕組みを使います。

PLGとこの2つのビジネスモデルは、切り離せない関係性があります。
フリートライアルとは「フリー」無料、「トライアル」お試しを掛け合わせた意味で、有料プランの機能をお試しで、期間限定で利用できるモデルです。そして、フリーミアムとは「フリー」と「プレミアム」を掛け合わせた言葉で、基本的な機能は「フリー」(無料)で使える一方で、より高度な機能は「プレミアム」(有料)で提供されるモデルです。
フリートライアルもフリーミアムも、有料プランへの移行を促すものですが、どちらを選択すべきかは、プロダクト・マーケット・ユーザー層などにより異なります。

なぜPLGが注目されているのか

では、なぜ今PLGが注目されているのでしょうか?
近年、既存ビジネスモデルをベースとした多くのマーケットは成熟し、類似品・代替品が多く流通して、ほとんどのマーケットが競合ひしめくレッドオーシャンとなっています。またインターネットの普及に伴い、消費者はあらゆる情報にアクセスできるようになり、販売担当者から直接売り込まれなくても、自発的に購買プロセスを進められるようになりました。
このような状況では、人的リソースを有効に活用し、ユーザーに選ばれるプロダクトをマーケットにいち早く投入する必要があります。そこで、ユーザーが自ら利用する価値を見出し、能動的にサービス選ぶPLGが注目されるようになったのです。
PLGは「お試しで簡単に使えるから」「最初は無料で使えるから」などの理由でユーザーが増加し、体験を通じて直接的なセールスをしなくても成長していきます。
PLGは海外発のスタートアップで多く導入され、SlackやZoomなど、今や日常やビジネスで欠かせないツールで導入されています。
このような成功を背景に、PLGは日本でも注目を集めているのです。

PLGとSLGの違い

SLGとは「Sales-Led Growth(セールス・レッド・グロース)」の略で、セールスが主導となり、プロダクトを売り込む既存の戦略のことを指します。具体的には、マーケティング部門がリードを獲得し、インサイドセールスがアポイントを獲得、フィールドセールスが商談対応をして受注を獲得し、カスタマー部門が導入後のフォローをするという、既存のビジネスモデルです。
SLGはセールスを主とした能動的なアクションが起点となり、受注やアップセルなどはセールスのスキルよるところが大きいです。また、対応できる顧客数もセールスのリソースやスキルによります。

一方で、PLGでは、セールス主導ではなく、製品主導のビジネスモデルです。まず、無料体験を起点に、見込み顧客の獲得やナーチャリング(有料プランへの引き上げ)、継続利用してもらうためのカスタマーサクセスなどを、プロダクト主導に進めます。
プロダクト自体がセールスも行うため、セールスリソースのコストを削減でき、効果的に売上を伸ばしていくことが可能です。

今回は、PLG(プロダクトレッドグロース)の概要や、既存ビジネスモデルのSLG(セールス・レッド・グロース)との違いなどについて解説しました。次回はPLGのメリットと代表的な事例について解説していきます。

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