デジタルトランスフォーメーションをもっと身近に

スタートアップ企業事例(前回の続き)

スタートアップ企業 ~DXを強力にすすめるスタートアップ企業事例~<後半>

前回は、スタートアップ企業の概要や、ベンチャー企業と違い、DXとの関係、スタートアップ企業事例などについて解説しました。今回は前回の事例①に続き、スタートアップ企業の代表的な事例②~⑤について複数紹介していきます。

スタートアップ企業事例②〜⑤

【事例②】スマートニュース株式会社
(https://about.smartnews.com/ja/)

スマートニュース株式会社は、スマートフォン用ニュースアプリSmartNewsを開発し、日本および米国で事業展開しています。SmartNewsは、日米で3,000以上の多様なメディアから、AIがニュースを編成し、ユーザーにバランスの取れた情報を届けるニュースアプリです。
AIが膨大な記事データとユーザー閲読データの両方を解析しニュースを配信することで、ユーザーの興味関心を広げ、発見のある体験を提供しています。AIで「情報の偏り」を解消するところに革新性があり、SNSで情報を取得することに問題意識を持つユーザーの心をつかみました。また、スマートニュースは、広告で得た収益をメディアパートナーに還元し、持続的なエコシステムの構築に注力しています。
2012年のアプリ提供開始以来、日本最大のニュースアプリに成長しました。また米国では2020年に月間利用者数が2倍以上になるなど急成長しています。将来は10億人以上が利用するグローバルプロダクトを目指しています。

【事例③】株式会社ビビッドガーデン
(https://vivid-garden.co.jp/)

従来の農業の物流では、生産者に価格決定権がない、手取りの割合が低いという課題がありましたが、生産者と消費者を直接つなぐプラットフォーム「食べチョク」を構築し、新たな販路の開拓・提供しています。
「食べチョク」では生産者による定期便サービスを展開しています。2018年に開始した野菜定期便サービス「食べチョクコンシェルジュ」では、消費者のアンケートやフィードバックを反映し、最適な生産者をマッチングして好みに合わせた野菜セットが届くサービスを提供するなど、農業にデジタルをうまく活用しています。
それ以外にも、ネットに不慣れな生産者も手軽に使えるサービスを目指し、2020年にリリースの「ご近所出品」では若手生産者が代表生産者となり、同じ地域でネットが使えない高齢の生産者の商品を一緒にグループで出品ができる新しいビジネスモデルを構築しています。

【事例④】株式会社ミライロ
(https://www.mirairo.co.jp/)

株式会社ミライロの一番の新規性は、普通自動車免許や健康保険証に先んじて、マイノリティの本人確認書類である障害者手帳をデジタル化した点です。また、政府のマイナンバーのポータルである「マイナポータル」との連携で民間活用第一号となったことでも、一躍有名になりました。さらに現在では、鉄道・高速道路・バス・タクシー・航空などの交通機関、美術館・博物館・レジャー施設・地方自治体などの関連施設、その他さまざまな場所で障害者手帳の代わりに、スマートフォン上の「ミライロID」の提示により障害者IDを証明でき、割引の適用が可能となっています。

【事例⑤】株式会社ビザスク
(https://visasq.co.jp/)

ビザスクは、事業開発や業務改善の課題を持つ企業と、業界業務の専門的な知識や豊富なビジネス経験を持つビジネスアドバイザーを、「1時間のインタビュー(スポットコンサル)」をはじめ、アンケート調査、業務委託等のあらゆる形でマッチングするナレッジプラットフォームを提供しています。現在では登録者数は国内海外46万人を超えるプラットフォームとなっています。

まとめ

ここに紹介したスタートアップはいずれもテクノロジーをベースとしてはいますが、テクノロジーだけではなく、社会・ビジネス課題に切り込み、新しいビジネスモデル、つまりDXの「X(トランスフォーメーション)」の部分をうまく実現したともいえます。スタートアップ企業は、既存企業のパートナーになり得るだけではなく、社会を大きく変えていく力を秘めた企業といった側面を持つ意味でも、重要な意味を持つといってよいでしょう。

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