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サーキュラーエコノミーとは

サーキュラーエコノミー
~DXでサーキュラーエコノミーを推進~<前半>

サーキュラーエコノミー(Circular Economy)とは、直訳すると「循環型経済」です。従来の基本的な社会の経済スタイルは、リニアエコノミー「直線型経済」で、資源を採取し、それで製品を作って使い、不要になったらゴミとして捨てる、という流れが一般的で一方通行でした。サーキュラーエコノミーは、これまで経済活動のなかで廃棄されていた原材料や製品などを最初から「資源」と捉え、リサイクル・再利用などで活用し、資源を循環させる、新しい経済システムの考え方です。

サーキュラーエコノミーとリサイクルの違い

そこで、考えてしまうのがリサイクルとの違いです。サーキュラーエコノミーとリサイクルは似ていますが、少し異なります。リサイクルには3Rがあるといわれ、Reduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)の頭文字をとって3Rと呼ばれています。

  • リデュース:ごみの発生を抑制した製品づくり
  • リユース:同じものを繰り返し利用すること
  • リサイクル:廃棄物を資源として再活用すること

サーキュラーエコノミーと似ていますが、リサイクルの3Rでは、廃棄物をできるだけ出さないようにしたり(リデュース)、再活用したり(リサイクル)しますが、少なからず廃棄物が出ることを前提としています。

これに対してサーキュラーエコノミーでは、「廃棄物をそもそも出さずに環境汚染自体を発生させない」という考えが元になっています。具体的には、製品を製造する時からリユースやリサイクルがしやすい設計にしたり、製品寿命をのばすためのメンテナンス・リース・シェアリングサービスにしたりするなど、利用効率の向上も図られます。

世界的な人口増加と経済成長を背景に、大量生産と大量消費が増加し繰り返されるなか、処理しきれなくなった大量の廃棄物が自然環境を汚染し、生態系にも甚大な被害を与えています。また、資源や自然エネルギーにも限りがあるなかで、環境を守りつつも経済成長を持続的に維持していくためには、サーキュラーエコノミーの経済システムに変化していく必要があります。

企業がサーキュラーエコノミーに取り組むメリット

事業活動の継続性を高める

サーキュラーエコノミーに取り組むと、事業活動の持続可能性を高めることができます。環境に配慮した企業活動を行うことにより、結果的に新しい製品やサービスを生み出したり、イノベーションを起こしたりして、事業存続や競争力確保への強化につながるため、企業にとっては新たなビジネスチャンスを作るともいえます。
例えば、資源を再利用して資源の使用量を減らすことができると、枯渇・高騰する資源の購入を削減でき、生産量を安価に安定して確保でき、企業の競争性を高めることに繋がります。

コストの削減

サーキュラーエコノミーは廃棄を前提としないシステムを構築するため、廃棄コストが減ることにより、全体のコストの削減につながります。デジタル技術を導入して無駄を減らす管理システムなどを導入し、サプライチェーンを最適化すると、サプライチェーン全体のコスト削減をすることも可能になります。

企業イメージの向上

サーキュラーエコノミーに取り組むことは、企業イメージの向上に繋がります。持続可能性をもたらすサーキュラーエコノミーは、SDGsの観点からも有効で、社会や環境に配慮する企業として、顧客や投資家などへの対外的なアピールができるようになります。
企業のイメージがアップすれば、採用の際にも優秀な人材を確保しやすくなり、今後の企業の成長戦略においても有利になります。

サーキュラーエコノミーとDX

サーキュラーエコノミーはサプライチェーンにおいてサイクリックにできるものやコストなどを正確に管理する必要があります。現代の複雑なサプライチェーンをサーキュラーエコノミーに管理・転換するためには、デジタル技術は不可欠といってもよいでしょう。
そのため、DXをすすめて、生産状況・製品の在庫・需要予測などをデジタルに管理していくことが、廃棄を減らし資源を再利用するサーキュラーエコノミーを支えるベースにとなるといえます。

今回は、サーキュラーエコノミーとリサイクルの違いや、企業がサーキュラーエコノミーに取り組むメリット、DXとの関連性などについて解説しました。次回は、より具体的なサーキュラーエコノミーへのDXの適用の流れと、事例について紹介します。

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