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サーキュラーエコノミーへのDXの適用と事例

サーキュラーエコノミー
~DXでサーキュラーエコノミーを推進~<後半>

前回は、サーキュラーエコノミーとリサイクルの違いや、企業がサーキュラーエコノミーに取り組むメリット、DXとの関連性などについて解説しました。今回は、より具体的なサーキュラーエコノミーへのDXの適用の流れと、事例について紹介します。

サーキュラーエコノミーへのDXの適用

サーキュラーエコノミーを進めるには、3つの大きな流れがあります。
おおまかには、製品やサービスなどを生み出し提供する「製造・サービス提供」、そして使うときの「サービスの利用」、最後の「リサイクリング」です。

「製造・サービス提供」

サーキュラーエコノミーを実現するためには、過剰な生産の防止や、製造の段階から長期利用・リサイクルのことを考えた商品設計が求められます。デジタル技術を活用すれば、たとえば、インターネットでの商品の受発注で需要に合わせたオンデマンド生産をしたり、AIで需要予測したり、IoTを利用して利用されている製品の状態データを収集し、製品の長寿命化などの製品改良を行ったりすることができるようになります。
また、たとえば、動画や音楽などのインターネット配信、電子決済、チケットレス、ブロックチェーンによる貨幣・証券の電子化といった方法で、製品そのものを作らず流通させないインターネット上の仮想流通をデジタル技術で実現することができます。

「サービスの利用」

この段階では、製品そのものを所有するのではなくシェアリングとして「製品の機能」に対して対価を支払うサービス利用といったビジネスモデルが考えられます。たとえば、自家用車を購入するのではなく、サブスクとして利用し一定期間を過ぎると車を返すといったことも、移動する機能をサービスとして購入するといえるでしょう。スマートフォンをサブスクで利用し2年後に返却するといったことも同様です。
これらは顧客接点の管理が重要で、デジタル化されたデータの管理によって成り立ちます。利用した製品のメンテナス・使用状況などはIoTなどでデータとして取得・管理され、蓄積されたビッグデータはAIで分析し需要と供給のマッチングやマーケティングなどに活用することもできます。

「リサイクリング」

「製造・サービス提供」の時点で、リサイクルのことまで考慮されていると、使用済み製品の回収やリサイクリングもスムーズに進みます。そのためには、製品をデータ管理することで、回収・分別業務の効率化を計ることができると考えられます。回収した不用品はリユース品として販売したり、整備して新製品として販売したりできます。これら製品の状態診断には画像AIなどの活用も想定されます。また、製品の利用・流通トレーサビリティには改ざん不可能なブロックチェーンを利用するなどして、品質を管理することもできるようになります。

事例

リサイクル工程の効率化をAIで実現

~サーキュラーエコノミーに基づいた持続可能な社会の実現~
熊本にある大東商事では、「受け入れた廃棄物は100%リサイクルを目指す」という企業理念で産業廃棄物の処理・リサイクルを行っています。
全国で2例目となる最先端のAIを使った混合廃棄物自動選別システムを導入するなど、廃棄物が複雑に混合した状態でも高品質なリサイクル原料・製品の安定供給を可能としています。
同社は「つくる責任」と「使う責任」の両面を調整するリサイクルコーディネーターの役割を目指すとしています。

まとめ

これまでは、リサイクル・リユースなどが、廃棄物を少なくする一般的な考え方でした。リサイクルセンターや再利用業者などを通じて、使わなくなった製品を回収してもらい、再生品などとしてリユースするのが実際の流れでした。
しかし、サーキュラーエコノミーでは、述べてきたように廃棄ゼロを目指すため、所有という概念自体が薄れ、シェアリング(サブスク利用)などの考え方がでてきています。そのためにはデータを使った使用管理が必須なため、今後もDXが進むにつれ、自ずとさまざまな分野でサーキュラーエコノミーが広がると考えらえます。

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