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エッジコンピューティングとは

エッジコンピューティングとは
~メリット・事例などについて~<前半>

エッジコンピューティング(Edge Computing)は、近年急速に注目されているコンピューティングのアーキテクチャであり、クラウドデータセンターから離れた場所、つまり端の方を意味する「エッジ」に近い場所でデータ処理や解析などを行うことを意味します。
これによって、ネットワーク遅延を減らしたり、帯域幅を節約したり、ネットワークやクラウドとのやり取りを減らすことによりセキュリティを確保しプライバシーを向上させることができます。
この記事では、エッジコンピューティングの基本的な概念や仕組み、テクノロジー、メリット、事例、課題、および将来の展望について解説します。

エッジコンピューティングの基本概念と仕組み

クラウドコンピューティングでは、基本的にはデータはすべてクラウドデータセンターに送信され、処理されますが、前述のとおりエッジコンピューティングは、データの処理と解析をユーザーやデバイスに近い場所で行います。
そして、エッジコンピューティングのアーキテクチャには、エッジデバイス、エッジゲートウェイ、エッジサーバー、そしてクラウドデータセンターが含まれます。

エッジデバイスは、画像データを捉えるデジタルカメラや温度データを捉える赤外線センサーなどのさまざまなIoTデバイス、さらに個人のネット閲覧ログなどを捉えるスマートフォンなどになります。これらのエッジデバイスにより膨大なリアルタイムのデータが収集されます。

エッジゲートウェイは、エッジデバイスとクラウドデータセンターとの間でデータの受け渡しを行う中間のノードであり、データの前処理や個人情報などのフィルタリングを行います。

エッジサーバーは、大規模なエッジシステムの場合、エッジネットワーク内で高度な処理や分析を行うために使用されるサーバーです。

クラウドデータセンターは、いうまでもなくエッジ側のコンピュータから送られる大規模なデータを格納するためのストレージ、高度な分析などを行うためのCPUリソースなどを提供します。

エッジコンピューティングで重要なテクノロジー

エッジコンピューティングの実現には、いくつかの重要なテクノロジー要素があり、下記に紹介します。

ネットワーク

エッジデバイスやエッジサーバーなどは、クラウドに繋がるネットワークに常に接続されており、安定したデータの送受信が求められます。そのため、高速かつ信頼性の高いネットワーキングインフラが必要とされます。

データ処理技術

エッジデバイスやエッジサーバーは、データを収集し、高速で処理する能力を持っている必要があります。ハードウェアだけではなく、センサーデータの仕分けや画像パターン認識などのソウフトウェアによる処理も含まれます。

セキュリティ

エッジコンピューティングでは、エッジ側でさまざまなデータを獲得するため、データのセキュリティ確保が重要です。エッジデバイスやエッジサーバーには暗号処理によるデータの格納、またネットワークにはVPNなどによる強固なセキュリティ対策が必須です。

管理と運用

特にエッジデバイスの管理と運用は、クラウドデータセンターとは異なり現場側となるため、さまざまな環境に置かれることが予想されます。ときには広範囲に分散されたエッジデバイスを効果的に管理するための運用が求められます。

エッジコンピューティングのメリット

エッジコンピューティングを採用すると、いくつかの大きなメリットがあります。

低遅延

エッジコンピューティングは、データの処理をデータの発生場所に近い所で行い、処理後の最小限のデータのみクラウドに渡すため、ネットワークでの時間ロスが最小限に抑えられます。リアルタイム処理などでは効果的です。

帯域幅の節約

前述もしましたが、エッジコンピューティングは、データの処理をエッジ側で行うため、クラウドへのデータ転送量を減らすことができます。これにより、ネットワークの帯域幅を節約できます。

個人情報などの安全性の確保

エッジコンピューティングでは、データを現場デバイスに近い所で処理し、個人情報などは削除し必要な情報のみをクラウドに送信するため、データの安全性を確保できます。

オフラインでの動作

ケースにもよりますが、エッジコンピューティングは、一部の処理をオフラインで実行することも可能です。このため、一時的にネットワーク接続がない環境でも、運用が可能です。

今回は、エッジコンピューティングの基本的な概念や仕組み、テクノロジー、メリットについて解説しました。次回は、事例、課題、および将来の展望について解説します。

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