デジタルトランスフォーメーションをもっと身近に

BtoCマーケティングとブランディングにおける「動画」活用事例

デジタル時代のビジネスに欠かせない「動画」活用法<前半>

なぜビジネスに動画を使うべきなのか?

今や企業が動画コンテンツを活用することは少しも珍しいものではなくなりました。実際、インターネット上で配信されている動画広告だけに限っても、その市場規模は年々拡大を続けています(※)。

※参照:サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を実施|株式会社サイバーエージェント

もちろん広告以外にも、YouTubeに代表される動画配信サービス、ホームページやSNSなどの自社メディア、駅や商業施設に設置するデジタルサイネージ(電子看板)、さらにライブ・オンデマンド(録画)配信など、さまざまな手法や媒体が活用されていることは言うまでもありません。

このように動画の活用が広がっている大きな要因は、何といってもWi-Fiの普及・整備と、通信回線速度の向上でしょう。とりわけ4G、5Gの登場以降は高画質かつ大容量の動画配信が容易になり、ユーザーの視聴環境も充実。SNS利用者数ランキングでも、常にYouTubeが上位に入るようになりました。

また、廉価な編集ソフトの登場により動画制作のハードルが下がったことや、動画配信プラットフォームの進化も無視できません。動画配信プラットフォームに関しては、視聴データの分析や視聴者向けアンケートの配信、動画上への購入ボタンや申込フォームの設置など、集客・マーケティングに使える機能を実装していることがもはや当たり前になっています。

もちろん、こうした環境面・技術面の変化だけではなく、そもそも動画というメディア自体がビジネスに効果的であることも要因の1つでしょう。テキストや画像と異なり、視覚と聴覚に訴求できる動画には、一般に次のようなメリットがあると言われています。

・目を引きやすい(人間は動くものに注意が向く傾向があるため)
・多くの情報をわかりやすく伝えやすい
・質感や雰囲気など、非言語的な要素を表現しやすい

いずれも他社との差別化が難しい現在、顧客(見込み客)との接点やコミュニケーションに是非とも取り入れたいメリットですが、とはいえ、既に効果的に動画を活用している企業が増えている一方で、まだまだ検討段階にすら至っていない企業が多いのも事実です。そこで今回は、DX推進企業を中心に、企業の動画活用事例を目的別に紹介していきます。

ブランディング・企業PRにおける動画活用事例(1)

多彩な表現が可能な動画は、企業の「ビジョン」やブランドの「世界観」を、ニュアンスを含めて伝えるのに適したメディアです。中には視覚的にユニークな手法を使って、視聴者に強く印象に残る動画を制作している企業もあります。

例えば、大手オフィス家具メーカーであり、近年はIoTやAIなどの先端技術を活用してオフィスづくりのコンサルティングにも力を入れているイトーキ株式会社。同社のYouTube公式チャンネルでは、ドローンで撮影した本社オフィス紹介動画が配信されています。

【ドローン撮影】イトーキ本社オフィスを飛行|イトーキ株式会社

まずは、ドローンならではの縦横無尽に動き回るカメラワークに目を奪われること間違いなし。そして、さまざまな視点から映し出されるオフィスの機能的かつ洗練されたデザインには、「こんなオフィスで働いてみたい……」と羨望のため息すら漏れてしまいそうになります。
まさに、最後に登場する『明日の「働く」を、デザインする。』という同社のミッションステートメントを、説得力をもって伝えることに成功している動画と言えるでしょう。

ブランディング・企業PRにおける動画活用事例(2)

動画=実写とは限りません。大手流通グループのイオングループが自社のビジョンを紹介する動画には、実際の社員やオフィスではなく、手書き(もしくは手書き風のタッチ)で描かれたイラストの人物や風景が使われています。

イオングループ未来ビジョン_full|イオングループ

内容は、グループの歴史や動画のテーマである「実現したい未来」、そしてそのために企業として「大切にする姿勢と誓い」など、ブランディング動画に欠かせないメッセージを伝えるもの。派手さやインパクトはありませんが、優しくてあたたかみのあるイラストの世界観が「一人ひとりの笑顔が咲く 未来のくらしを創造する」という同グループのビジョンステートメントと相まって、深く“心に残る”動画となっています。

BtoCマーケティングにおける動画活用事例(1)

広告・宣伝を含めた一般消費者向けのマーケティングでは、既に多くの企業が動画を活用しており、ありきたりの内容では認知向上や興味喚起につながらない恐れがあります。

そんな中、積極的かつユニークな動画活用で知られている企業が株式会社資生堂です。例えば自社のオンラインショップや若者に人気のSNS『Tik Tok』では、社員である美容部員が出演。ライブコマース(※)の他、メイクのノウハウ紹介や美容に関する座談会など、バラエティーに富んだ動画コンテンツを配信しています。

※ライブコマース…リアルタイムの動画配信を通じて商品を紹介・販売する手法


「Beauty Live ワタプラNight!」|ワタシプラス by SHISEIDO 「Beauty Live ワタプラNight!」|ワタシプラス by SHISEIDO


24年春夏のトレンドの肌づくりとは?うるおいあふれるつや肌に仕上げるベースメイクアップをご紹介|株式会社資生堂 24年春夏のトレンドの肌づくりとは?うるおいあふれるつや肌に仕上げるベースメイクアップをご紹介|株式会社資生堂

一般に大企業のライブコマースでは、有名タレントやインフルエンサーを起用することも珍しくありません。しかし、同社のように製品やそのジャンルについて深い知識と愛情を持った社員が出演することで、内容の信頼性・信ぴょう性が高まったり、会社をより身近に感じてもらえたりするメリットがあります。

BtoCマーケティングにおける動画活用事例(2)

広告やマーケティングに欠かせないものと言えば、いわゆる「お客様の声」。企業視点ではなく、顧客視点の感想や体験談を紹介することで、消費者の共感を呼んだり、購入・利用に伴う不安を払拭したりすることができます。もちろんマーケティング向けの動画でも、顧客インタビューは定番のコンテンツです。

パーソナルジム『RIZAP(ライザップ)』のYouTube公式チャンネルでは、20代~80代までの幅広い年齢層の顧客インタビュー動画を配信。体験談を紹介するうえでのポイントとなる、「サービス利用前の悩み・課題」「サービスを選んだ決め手」「サービス利用後の変化」をわかりやすく伝えています。
また、実際の担当トレーナーも動画に出演することでパーソナルジムが未経験の方の不安を解消し、さらに同社の「結果にコミットする」という企業姿勢を伝えることにも成功しています。

RIZAP お客様インタビュー モチベーションはトレーナーに褒められること。|RIZAP(ライザップ)公式チャンネル

次回の後半記事では、BtoBのマーケティングや社内向けに動画を活用している企業の事例を紹介します。

share
  • AI-OCRエンジンを採用、RPA連携による完全自動化のOCRサービス「CREO-OCR」
  • BizRobo!を月額6万円から利用可能、従量課金RPAサービス「CREO-RPA」
  • サービスデスク
  • プロセス管理
  • クラウドシフト
  • 人事給与
  • ハイブリッド購買
  • 情シス
  • 社労士
  • 会計士
  • Method
  • DXセミナー

記載された商品名・製品名は各社の登録商品または商標です。