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DX基礎用語IT部門

2025年1月6日

今年はコレ!2025年のDXトレンド&注目キーワード〈前編〉

【新年特別企画】2025年のDXトレンド&注目キーワード

年が明けても相変わらず社会・経済は先行き不透明……ですが、新しい年の始めくらいは誰もが晴れ晴れとした気持ちで過ごしたいもの。そこで今回は「新年特別企画」として、『DX-labo』が独自の視点で選んだ2025年のDXトレンドや注目キーワードを8個紹介します!

最新のデジタル技術はもちろんのこと、集客・マーケティング、サステナビリティ(持続可能性)に関する取り組みなど幅広く取り上げています。既にDXを進めている企業の方も、今年こそDXをスタートさせたいと考えている企業の方も、是非ご覧ください。

〈1〉RAG

RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)とは、生成AIの技術的なベースである「LLM(大規模言語モデル)」と「検索エンジン」を組み合わせる技術を指します。一般的にLLMはインターネット上の膨大かつ汎用的なデータを学習して回答を生成しますが、RAGを実装することで未学習の外部データもソースとして利用できるようになります。

RAGの大きなメリットは、生成AIのハルシネーション(誤情報を生成する現象)を抑制し、回答の精度を向上できること。例えば社内ヘルプデスクで生成AIを活用する際、自社の業務マニュアルやFAQ、過去の問い合わせ内容などを外部データとして使うことで、自社ルールに即したアウトプットを得ることが可能です。 このように、外部データの利用により、ファインチューニング(再学習)の手間・コストなしにLLMを更新できるのもRAGのメリットの1つです(セマンティック検索)。こうした特徴から、専門性が高く、常に情報のアップデートが求められる医療や法律などの分野でも活用が進んでいます。

〈2〉ダークパターン

現在、集客やマーケティングにIT・デジタルを活用している企業なら是非知っておきたい言葉がダークパターンです。簡単に言うと、「Webサイトやアプリ上で消費者が気付かないまま不利な決定をしてしまうよう誘導する手法やデザイン」を指します。具体的には次のようなケースが該当するとされています。

・大切な情報を小さい文字で記載している
・実際は在庫があるのに「残りわずか!」などと煽(あお)る
・商品を閲覧させるためだけに会員登録(個人情報の開示)を強制する
・虚偽の「お客様の声」を掲載する
・サービスの解約方法を複雑にして利用を継続させる

ダークパターン例
ダークパターン例

法規制の進む欧米とは異なり、日本ではまだ包括的な法律は存在していませんが、近年は消費者庁が取り締まりを強化するなど、徐々に規制に向けた動きが活発化しています。売上や事業成長に夢中になるあまり、意図せずとも陥ってしまうのがダークパターンの怖いところ。万が一の事態を避けるためにも、企業は最新の動向に常時アンテナを張りつつ、Webサイトやアプリ上での表示に関するガイドラインを設けるなどの対応が求められます。

〈3〉ノーウェアランサム

ノーウェアランサムは、企業や組織のデータを盗み出し、公開しないことと引き換えに身代金を要求するサイバー攻撃です。企業の情報セキュリティをおびやかす新たな脅威として注目を集めており、警察庁の『令和5年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』という資料では「特に注視すべき脅威」の1つに挙げられています。

ノーウェアランサムはランサムウェア(身代金要求型ウイルス)の一種ですが、従来のランサムウェアと違い、データ窃取の際に暗号化をおこないません。そのため、次のような企業にとって厄介な特徴を持っています。

・攻撃者はデータ暗号化に必要な手間が不要のため、容易かつ迅速に攻撃を実行できる
・攻撃を受けても検知しにくく、早期発見が難しい

またセキュリティについても、従来のランサムウェアによる暗号化に対してはバックアップによる対策が有効でしたが、暗号化を伴わないノーウェアランサムでは効果的ではありません。とはいえ、基本的な対策はランサムウェアと同じ。複数のセキュリティ層を設ける「多層的な防御」は必須です。

〈4〉BYOAI

BYOAIは「Bring Your Own AI」の略で、会社で承認されているか否かにかかわらず、従業員が自前のAIサービスやサービスを業務に使用することを指します。もともとは職場に私物のノートPCやタブレットを持ち込む「BYOD(Bring Your Own Device)」から派生した言葉と言われています。

BYOAIが広まったのは、『ChatGPT』に代表される対話型AIサービスの普及以降。2024年5月に米Microsoftと米LinkedInが発表した調査結果によると、日本企業での生成AI利用者の約8割が自前のツールを職場で利用している=BYOAIを実施しているということです。

参照:2024 Work Trend Index Annual Report from Microsoft and LinkedIn

BYOAIのメリットとしては従業員の生産性向上が挙げられますが、一方で情報漏えいや権利侵害を引き起こす恐れもあります。そのため、企業にはルールやガイドラインの整備など、あらかじめ適切なリスク対策を講じておくことが求められます。

前編はここまで。残りの4つのキーワードは後編で紹介します!

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