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採用難の時代に効く、新卒採用向けIT・デジタルツール

企業の「新卒採用力」を高めるIT・デジタル活用法

学生に“選ばれる”ためにもIT・デジタルは必要

近年、DX推進企業を中心に、IT・デジタルを活用した新卒採用業務の効率化・高度化が急速に進んでいます。その背景にあるのが、少子化による新卒学生数の減少と、それに伴う売り手市場の加速です。

激化する採用競争の中、とりわけ知名度の高くない中小規模企業では採用難が顕著となっており、採用担当者の負担は年々大きくなっています。一方、大企業においても、通年採用の普及による採用活動の長期化に加え、売り手市場を背景とした内定辞退の増加により、学生への継続的なフォローなど、これまで以上のリソースが求められています。

こうした状況を打開する手段として期待されているのが、IT・デジタルです。ツールで定型業務を自動化すれば業務の効率やスピードを高められますし、蓄積したデータを分析・活用することで採用プロセス全体の質を底上げすることも可能になります。

さらに見逃せないのが、現在の就活生は“デジタルネイティブ世代”であるという点です。物心ついた頃からインターネットやスマートフォンに親しんできた世代にとって、企業のIT・デジタルへの対応力やDXに前向きな姿勢は、「時代に合った働き方ができそう」「成長性のある企業だ」といったポジティブな印象につながります。

このようにIT・デジタルは、業種によって差はあるものの、単なる採用業務の効率化にとどまらず、就活生に“選ばれる企業”であるためにも欠かせない要素になりつつあります。そこで今回の記事では、新卒採用において効果が期待できるIT・デジタル活用の手法やツールを実際の企業事例を交えて紹介していきます。

採用ショート動画

近年の新卒採用におけるトレンドの一つが、採用ショート動画です。TikTokやInstagramのReels、YouTubeショートといったプラットフォームに、30〜60秒程度のスマートフォン向け縦型動画を投稿し、自社の魅力を発信します。

メリットは、学生が日常的に接しているメディアを通じて、自然な形でリーチできる点にあります。また、文章や画像ではわかりにくい職場や社員の空気感を直感的に伝えられるので、企業を身近に感じてもらいやすくなるのもポイントです。こうした特徴は、BtoB企業や堅いイメージを持たれがちな業界において、特に効果的といえるでしょう。さらに、動画が注目を集めて拡散されれば、広告費をかけずに多くの学生へ認知を拡げられる可能性もあります。

動画の内容は、社員インタビューや社員の一日密着、オフィスツアーといった定番モノから、就活に役立つTips(面接のポイント)、職場あるあるの紹介、社内用語クイズまでさまざまです。採用ショート動画の成功事例として取り上げられことの多いダイキン工業株式会社では、社員と自社キャラクターを前面に出したエンタメ性の高い動画を効果的に活用し、企業認知の向上や興味喚起につなげています。

ダイキンに入社して衝撃だったこと

daikin_jp 【公式】ダイキン工業

メタバース

インターネット上に構築した3次元の仮想空間「メタバース」を、新卒採用に活用している企業もあります。先端的な技術として注目度が高いため、採用活動の第一歩である母集団形成(自社に興味を持つ学生を集める取り組み)においてフックとしての効果が期待できます。

メタバースの大きな特徴の一つが、アバター(オンライン上の分身)を介したコミュニケーションです。対面と比べて心理的なハードルが下がり、学生が気軽に質問しやすくなる点は大きなメリットと言えるでしょう。こうした特徴を生かし、中京テレビ放送株式会社やGMOペパボ株式会社では、会社説明会にメタバースを活用しています。

参照:アバターで就職活動!中京テレビが『メタバース会社説明会』を実施! アバター参加者の満足度は95%|中京テレビ放送株式会社
参照:『GMOペパボ新卒説明会 in VRChat』を各メディアでご紹介いただきました|GMOペパボ株式会社

また、損保ジャパン株式会社では、メタバース空間で自社の業務を体感できる取り組みを実施しています。例えば営業部門の業務体感では、リスク分析やヒアリングを通して顧客に最適な商品・サービスを提案するといった、実践的な内容を体験することができます。

参照:【地元で働く×損保ジャパンでできること】オンライン(メタバース空間)でのワークショップで損保ジャパンの仕事を学び、地元で働く未来を描く|損害保険ジャパン株式会社

RPA

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、人がPCでおこなっているルーティン作業をソフトウェアロボットによって自動化するITツールです。経理や購買・調達など、バックオフィス業務を中心に幅広く活用されていますが、新卒採用においても、次のような業務を自動化することができます。

・複数の求人サイトへの求人情報登録・更新
・説明会や面接の案内・リマインド、合否連絡メールの一斉送信
・データ集計やレポート作成  など

こうした煩雑な事務作業から解放されることで、採用担当者は学生対応や採用戦略の検討といった、本来注力すべき業務により多くの時間を割けるようになります。また、下図のように、単発の作業だけでなく、複数の求人媒体から学生情報を抽出してCSV形式で保存し、必要なデータ加工をおこなったうえで管理システムへ取り込むといった、一連の業務プロセスを自動化することも可能です。

新卒採用業務におけるRPA活用例(イメージ)

新卒採用業務におけるRPA活用例(イメージ) 参照:クレオとRPAテクノロジーズが、BIZPLATFORM×BizRobo!の連携による新卒採用管理業務の改善を提案~可視化×自動化による改善事例を公開~(株式会社クレオ)

採用管理システム(ATS)

採用管理システムは、複数の採用チャネルから集まる応募者データや、応募者一人ひとりの選考の進捗、評価、コミュニケーション履歴などを一元管理できるITツールです。「Applicant Tracking System(応募者追跡システム)」の頭文字を取って、「ATS」とも呼ばれます。

従来のExcelやスプレッドシートによる管理と比べて、情報共有が格段にスムーズになる点が大きなメリットです。各求人媒体に個別にログインする必要がなく、システム上で応募者とメールやLINEで連絡することもできるため、担当者の作業工数削減と対応スピードの向上につながります。

また、多くの採用管理システムは社内カレンダーや『Microsoft Teams(チームズ)』などと連携でき、面接日程の自動調整や、確定した面接予定を関係者のスケジュールへ自動反映させることも可能です。

採用管理システムのもう一つの大きなメリットが、データに基づいて採用活動を改善できる点です。応募経路ごとの費用対効果や、歩留まり率(選考ステップごとの合格者の割合)、面接官別の通過率・内定率などを定量的に把握できるため、課題の発見から改善施策の立案までを効率的に進められます。

このようにIT・デジタルは、業務効率化にとどまらず、学生との接点づくりや関係構築など、新卒採用における幅広い領域で活用されています。次回の後半記事では、現在特に注目を集めているAI・生成AIを活用した採用ツールについて詳しく紹介します。

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