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もはや必須? 新卒採用で広がるAI・生成AI活用ツール

企業の「新卒採用力」を高めるIT・デジタル活用法

新卒採用の現場でも、AI、そして生成AIの活用はもはや当たり前になりつつあります。ここでは、その中でも特に効果的で注目度の高い手法・ツールを紹介します。

AIスカウトツール

採用市場が厳しさを増す中、企業側から就活生にアプローチする「ダイレクトリクルーティング」という採用手法が広がっています。AIスカウトツールは、このダイレクトリクルーティングにおける候補者とのマッチングからスカウトに関わる作業を自動化するツールです。

マッチングの工程では、各種スカウト型採用サービスに登録された学生のレジュメをAIが読み取り、自社の採用要件に合致する候補者を抽出。スカウト時には、学生1人ひとりのプロフィールに応じてパーソナライズされたスカウトメッセージを自動生成できるため、担当者が個別に文面を作成する手間を削減できます。

なお、前半記事で紹介した採用管理システム(ATS)の中にも、こうしたAIスカウト機能を備えた製品が登場しています。

生成AIチャットボット

学生との接点を強化するツールとしては、生成AIを活用したチャットボットが効果的です。従来型のチャットボットが、あらかじめ登録したQ&Aに基づく応答に限定されていたのに対し、生成AIチャットボットは社内ドキュメントなども横断的に参照し、文脈に応じて柔軟に回答することができます。

採用サイトに設置しておけば、24時間365日、学生からの問い合わせに自動対応できるため、担当者の負担軽減につながります。また、給与や待遇といった学生が面と向かっては聞きづらい内容も気軽に質問できるため、疑問や不安の解消を通して選考離脱の防止にも寄与します。

AI書類(ES)選考ツール

応募者数の多い大企業では、初期選考の効率化を目的に、AIを活用した書類選考支援ツールが活用されています。AIが大量のエントリーシートを解析し、自社の合格基準に照らしてスコアリングするほか、他応募者との類似やコピー&ペーストを検知する機能を備えたツールもあります。

サッポロビール株式会社では、2018年から新卒採用のES選考にAIを本格導入。過去データを学習したAIが合格基準を満たす応募者を自動で選定し、それ以外のエントリーシートについては人事担当者が確認して最終的な合否の判断をくだす、という“AI+人”のハイブリッド運用により、選考の質と効率化の両立を実現しています。

参照:新卒採用のエントリーシート選考においてAI(人工知能)を活用|サッポロビール株式会社

AIによる動画選考&面接官トレーニングツール

コロナ禍をきっかけに、大企業の選考の初期段階では、学生が自ら撮影した動画を提出する自己PR動画や録画面接が定着しました。こうした動画データをAIが解析し、発話内容や話し方、表情などをもとに評価・スコアリングするツールも登場しています。担当者の好みや主観に左右されない、客観的で一貫性のある判断が可能になる点がメリットです。

ソフトバンク株式会社では、2020年に動画面接の合否判定にAI動画解析システムを導入しています。過去の動画データと熟練した採用担当者の評価を学習させたモデルにより、候補者の動画評価を自動算出。不合格と判定された動画のみを人事担当者が確認して最終判断する運用とすることで、選考の正確性を担保しています。

参照:新卒採用選考における動画面接の評価にAIシステムを導入~より客観的かつ統一された軸での評価を実現~|ソフトバンク株式会社

また最近では、応募者を評価するのではなく、面接の質を向上させるために、面接官の話し方や表情をAIが分析し、改善点をフィードバックするツールも登場しています。

生成AI技術を活用した対話型AI面接官ツール

生成AIを活用し、人間の代わりにAIが面接官を務めることができるツールも登場しています。現在のところ、株式会社NTTドコモやキリンホールディングス株式会社など、大企業での活用が目立ちます。

参照:【ドコモ×SHaiN】新しい選考のカタチ~AI面談始めました!~|moreドコモ @NTTドコモ採用チーム
参照:キリンホールディングス、AI面接官を本格導入決定|株式会社VARIETAS

【面接慣れしている人編】AI面接官と就活生のやり取り(面接の様子のみ・短縮バージョン)|AI面接官

面接はオンライン(Web)面接と同様にPCやスマートフォンを使っておこなわれ、AIアバターやデジタルヒューマンが候補者と音声で対話します。質問内容はエントリーシートをもとにAIが自動生成。学生の回答に応じて深掘り質問を投げかけたりすることも可能です。

ツールによっては、候補者の緊張を和らげるアイスブレイク機能や、経済産業省が定める『社会人基礎力』を基準とした評価機能、不正行為を検知する機能など、多彩な仕組みを備えています。

今回紹介したもの以外にも、最近ではより高度な機能を持つAIエージェントの活用を謳(うた)うツールも登場しており、新卒採用におけるIT・デジタル活用は今後さらに進んでいくと考えられます。

しかし一方で、「何でもIT・デジタル化すれば良い」という安易な発想では、本質的な採用力向上につながらないのも事実です。例えデジタルネイティブ世代であっても、AIによる面接に抵抗感を持つ学生は少なくありません。また、生成AIの普及によってエントリーシートの内容が均質化していることを背景に、書類選考を廃止し、対面での選考に軸足を移す企業も出てきています。

重要なのは、効率化のみを目的とするのではなく、「自社に合う学生と出会い、惹きつけ、見極める」ことを第一に考えたうえでIT・デジタルを活用するという視点でしょう。そのためにも、自社の採用方針や求める人物像に照らして、どのツールを、どの場面で、どのように活かすのかを丁寧に吟味・判断していくことが、これからの採用戦略において重要になるはずです。

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