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経営改革促進

2022年7月25日

ヘルスケア分野でのDXのメリットと事例

ヘルスケア領域でのDXとは?
~医療業界でのDXをメリットと事例を交えて紹介します~<後半>

前回、ヘルスケア領域の課題とDXについてお伝えしました。今回はヘルスケア領域でDXを適用する際の具体的なメリットや、デジタル化やAIの活用事例について解説します。

ヘルスケア分野でのDXのメリット

・非対面で診療(コロナ対応や効率化)

DXを進めることで、医師が患者の所に行かなくても診療ができるオンライン診療が可能になります。非対面で行うオンライン診療には、以下のようなメリットがあります。

―医師の移動時間が削減できる

―訪問治療を効率化できる

―感染リスク防止につながる

とくに、医師の数が少ない地方や、訪問治療を主に行なっている医療機関ではオンライン診療によるメリットは大きいといえます。ただし、オンライン診療を実現するには医療機関側だけではなく、患者側にも対応する機器や設備の準備が必要となります。

・カルテの電子化による効率を図れる

紙ベースの書類や資料を電子化できれば保存・管理がしやすくなり、業務効率化が図れます。医療現場で最も使用される患者の診療内容を記録した紙ベースのカルテの電子化を進めると大きなメリットがあります。データによる保存で膨大な診療データを管理しやすくなり、患者の病歴の検索が効率化します。また、データ化は入力ミスや文字の読み間違いも減らせるため、医療事故の予防にもなります。

・予約や受付の自動化による省力化ができる

医療機関では、予約や受付を電話で行うなどまだアナログ対応が多いのが実情です。DXを進めることにより、スマホやパソコンからの自動予約・受付ができるようになれば、電話対応の業務負荷は軽減されます。利用者も営業時間にも予約・キャンセルができ大きなメリットを享受できます。

・健康データ活用による予防医療の実現が可能になる

健康状態をデータで管理することにより、さまざまな疾患・生活習慣病などに対して、あらかじめ何らかの対策を行い、未然に防ぐ予防医療が可能になると考えられます。たとえば、血糖値をデータで管理し、高い数値を検出したときは本人にメール通知で通知して知らせるといったことがあげられます。また、食事や運動のデータを蓄積することにより、どれだけ健康なったかを利用者にグラフで見えるようにすることで、さらに健康への意識が高まり未病へつなげることができるでしょう。

ヘルスケア領域におけるDXの事例

・電子カルテ化及び医療機関連携による患者情報の共有

現在、医療機関が持つカルテは基本的に医療機関の間では共有されていません。A病院と近隣のBクリニック、引っ越したあとのC総合病院といった具合に、一人の人はさまざまな医療機関で受診しますが、すべてカルテは別々に作られます。これがデジタル化されDXですべて共有できるようになると、一人の患者に対する多くの医療情報が集約され、病理の治療には大きな効果を発揮します。既にいくつかの地域で地域医療連携として実現され効果をあげています。

・AIによる画像解析を活用した診断

医療現場での重要な診断方法としてCT検査があります。CT検査はがんなどの重大疾患の検査に多く使われます。CT検査後の画像は医師が目で見て判断するため、見落としなどのヒューマンエラーが大きな課題です。 ディープラーニングを用いたAIの画像認識は、人間の目が見落としがちな複雑で小さな病理もしっかりと認識し、医師に通知することで強力なサポートをすることができます。
これはAIが診療を行うという意味ではなく、あくまで医師による見落としを防ぐ意味合いです。しかし病理の見落としは生命に直結するため、大きな意義があります。一部の医療機関で使われ初めており、今後は徐々にCT以外のレントゲンなどにも拡大していくでしょう。

・AIを活用した新薬の開発

一般的に、新薬の開発は長期におよぶためコストが莫大となります。某大手製薬会社では、DXを進めAIを活用して化学成分の実験シミュレーションを行うなどし、開発期間の短縮とコストの削減を実現しました。現状、新薬開発にAIを投入する製薬会社はまだ少ないですが、今後はさらに新薬開発にDXが導入され、社会課題の解決にも貢献していくと考えられます。

まとめ

DXは一見流行りのバズワード、などと捉えられることもあります。しかし、ヘルスケア分野でのDXの状況を確認すると決して流行りではないということがわかります。病気や人命に関わる医療業界でもしっかりとデジタル技術が活用されDXが進んでいるということが理解できます。今後もヘルスケア分野ではDXによる大きな医療変革が起こるかもしれません。ヘルスケア分野でのDXは要注目です。

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