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経営改革促進

2021年4月26日

「DXレポート2」2020年12月、が伝えるDXのこれから

DXレポート2にみる最新DX状況<後半>

コロナ禍で明らかになったDXの緊急性・本質

コロナ渦が始まった2020年3月頃から一気に社会が変わり始めます。外出制限が始まると非常に早いスピードで生活はもちろんのことビジネススタイルが変化しました。

テレワークが始まると、社内のITインフラや就業規則等を迅速に変更してコロナ禍の環境変化に対応できた企業と、できなかった企業の差が顕著に出始めます。押印廃止、リモートでの対面販売、出張をしないリモートでの打ち合わせ、などの対応です。

これらの変化は予想はされていましたが、まだ将来の起こりうることとして認識されていました。たとえば今後10年程度をかけて徐々に変化していくビジネススタイルとして捉えられていたと言ってよいでしょう。ところがコロナ渦により人々の固定観念が一変し、ネットを通じたデジタルサービスなどが一気に浸透したため、デジタルでのサービス提供が困難な企業も、生き残りをかけて急速に変貌をとげる必要性が発生しています。

そこで、コロナ渦の状況では、アフターコロナ、ウィズコロナにおいてDXを推進するには、下記を主に緊急性をもって対応すべきと言われています。

-業務環境のオンライン化
 (テレワーク、オンライン会議など)

-従業員の安全・健康管理のデジタル化
 (リモートでの労働状況の把握、従業員のメンタル管理など)

-業務プロセスのデジタル化
 (デジタル押印、RPA活用など)

-顧客接点のデジタル化
 (EC強化、チャットボット導入など)

ここで見えてきたDXの本質が、デジタル化のためのITシステムの導入のみならず、企業文化(固定観念)を変革する重要性です。

これらITシステムによるデジタル化は、企業文化の変革を同時に行わないと企業自体に変革をもたらしません。たとえば今まで出張し直接会って打ち合わせしていたものをモニター上のオンラインのコミュニケーションだけで済ませてしまう、という変化には打ち合わせやコミュニケーションに対する固定観念まで変える必要があります。また押印のデジタル化も同様で、これまで脈々と続けてきた商習慣を根底から変えるには、企業文化の変革が必要とされます。

DXを進めるために分かってきた必要なもの「経営マインド」「DX人材」

「経営マインド」

前述の通り、デジタル技術を導入し業務プロセスを変化させるには、同時に企業文化の変革が必要で、制度や組織の変革なども求められます。このような企業全体に波及する変革を行えるのは現場ではなく経営です。

逆にこれに応えることができる経営マインドがないとDXは進まないと言ってもよいでしょう。DXの第一歩としてデジタルツールなどを導入しデジタル化を図ったとしても、制度や組織などの変革が伴わないと、DXは進まずにツールの導入に留ってしまいます。

たとえばテレワークを導入する際には、同時に人事制度の改革が必要とされます。具体的にはテレワークにはジョブ型人事制度が適していると言われます。この制度はジョブ(仕事の範囲、役割、責任)を明確にし、働いた時間ではなくそのジョブの達成度に対する成果の評価を行います。したがって時間に自由度が持てるテレワークにはこの制度が適しています。

例として、コロナ渦後にいち早くジョブ型人事制度を打ち出した富士通が挙げられます。

富士通は国内グループ会社全体の管理職約1万5000人を対象に、「FUJITSU Level」という7段階の人ではなく職責への格付けを行い、その職責を全うしたかどうかによって評価を行う制度を適用しました。今後全社員約9万人に対して制度を拡大する予定です。

「DX人材」

DXを進めるためにはデジタル技術に対する最新のITリテラシーを持ち、DXを理解し推進する人材が不可欠です。若い人だけが対象ではなく、リカレントと言われる既存の人材に対してデジタル技術やDXに関係する学び直しを行い、人材を再育成することが企業にとって非常に重要です。この判断も経営マインドによるところが大きいと言ってよいでしょう。

例として、全社員のデジタルリテラシー向上に取り組む、みずほフィナンシャルグループが挙げられます。

みずほフィナンシャルグループは全社員の対するデジタルリテラシーの向上を行うため、「覚醒段階」「基礎知識習得段階」「実践段階」の3段階のレベルに分け、オンライン学習やOJTなど多様な手段によるプログラムを提供し、リカレントを行っています。

このように「DXレポート2」では「DXレポート」では語られていなかった、コロナ渦を通じて急速に変化したDXの現状や見えてきた本質などに触れられています。まだコロナ渦の影響は続いており、DXは引き続き早いスピードで進んで行くと考えられ、企業はますます変化に対する対応を求められていくと言ってよいでしょう。

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