デジタルトランスフォーメーションをもっと身近に

業務プロセス改善

2021年1月12日

DXで人事部門を「ガラパゴス」から「攻め」の部署に変革する

人事部門にも迫るDX「2025年の崖」<前半>

いま求められる戦略人事

少子高齢化とそれに伴う労働人口減少、加速するテクノロジーの発展、そして年が明けても一向に収束の気配が見えない新型コロナウイルス。現在のビジネスを取り巻く環境は、まさに混沌とした様相を呈しています。このような状況に対応していくために、いまや企業のあらゆる領域が変革を迫られていると言っても過言ではないでしょう。

それは、時に「ガラパゴス」と称されるほど変化に乏しかった人事部門も同様です。採用から労務にいたるまで、従来と同じ業務を同じやり方でこなすだけでは経営層の期待に応えることはできません。現在の人事部門に求められているのは、経営や事業に資する戦略的な役割。言い換えるなら「攻めの人事」です。

とはいえ、そのような人事部門はまだまだ少ないのが実情です。Webサイト『日本の人事部』が実施したアンケート調査によると、9割近くの企業が戦略人事の重要性を認識しつつも、「実践できている」と答えたのは全体で約3割程度。その要因としてトップに挙げられているのが「リソース不足」です。

しかし、営業やマーケティングを見るまでもなく、他部門が同じ課題を抱えながら市場や顧客のニーズに対応すべく変革を進めている状況で、人事部門だけいつまでも悠長なことを言ってはいられません。

何より、経済産業省が発表したデジタルトランスフォーメーション(以下:DX)推進のための既存基幹システムの刷新期限「2025年の崖」が、すぐ目の前に迫っています。このまま手をこまねいたままでいると、頻発するシステムトラブルによって戦略人事への道は遠のいていくばかりです。そうならないためにも、人事部門にもDXが急務なのです。

人事DXは2ステップで実施する

ひと口にDXといっても、部署や目的によって最適な進め方は異なります。人事部門が戦略人事を目指す場合は、「自動化分野」「意思決定分野」の2ステップで実施するのがおすすめです。

「自動化分野」は、ITツールの導入を起点として、事務作業の自動化やペーパーレス化を図るフェーズです。ツールやアプリケーションの連携を高めることで多くの業務を脱属人化(マニュアル化)できるので、人手不足も解決できます。
「意思決定分野」は、人材採用や育成・配置・キャリアプラン支援・離職予防など、おもに人材管理に関わるフェーズです。担当者の能力や嗜好に左右されない、AIやビッグデータによる分析を活用した最適かつスピーディーな意思決定を狙いとしています。
これら2つのステップで戦略人事に該当するのが「意思決定分野」。まずはその土台となる「自動化分野」のフェーズから進めていきます。

人事部門向けITツールで一般的なのは、労務管理にまつわる各種申請業務(雇用契約・各種保険など)をWeb上で完結できるクラウドツール。押印や書類が不要になるだけでなく、役所に行って提出する手間も省けるので、かなりの工数削減が期待できます。
自動化に直接関わるものでは、チャットボットツールがあります。出張申請の方法や婚姻・出産時の手続きなど、労務関係はとりわけ社内からの問い合わせが多いもの。そうした定型的な質問に、AIが代わりに答えてくれるツールです。

ただし「自動化分野」においては、これらのツールよりも優先して導入すべきITツールがあります。それが、給与計算向けのクラウドITツールです。

理由の一つは業務の煩雑さです。多くの企業では、給与計算作業自体はシステム化されていますが、計算に必要な勤怠情報や改定時の税率・保険料率などは、まだまだ手入力しているケースがほとんどです。社会保険労務士や税理士に業務委託している場合でも、先方のフォーマットへの転記作業などの手間がかかります。当然ながらヒューマンエラーも避けられません。

さらに、既存の給与計算システムは「2025年の崖」への転落につながりかねない大きな問題を抱えています。次回、クラウドITツールの紹介と併せて解説します。

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