デジタルトランスフォーメーションをもっと身近に

業務プロセス改善

2021年7月5日

リモート営業以前から始まっていた、ビジネスにおける営業の変化

デジタル化・DX時代に営業部門はどう変わるべきか?<前半>

営業職の減少が止まらない

他の多くの職種と同様に、営業もコロナ禍によってワークスタイルの変更を余儀なくされました。とりわけ大きな変化が商談のリモート化・オンライン化でしょう。テレアポ、訪問、場合によっては接待と、どの部署よりもアナログで「人」中心だった営業にも、ついに本格的なデジタル化の波が訪れたというわけです。

なかには「こうした変化は一過性のものだ。コロナが終息すれば元の営業スタイルに戻る」と考えている人もいるかもしれません。しかし、果たしてそうでしょうか。昨今のDX(デジタルトランスフォーメーション)の勢いを見るまでもなく、デジタル化はビジネスにおいて不可避の流れ。それがたまたまコロナ禍によって早まっただけ、と考えるほうが正しいように思えます。

なにより商談のリモート化・オンライン化などは、コロナ禍以前から始まっていた、もっと大きな変化の表層部分に過ぎません。その変化とは、ビジネスにおける営業の「価値」の低減です。

それが最も顕著に表れているのは営業職担当者の減少でしょう。総務省統計局「労働力調査年表」によると、2001年に国内で968万人だった営業職は2018年には864万人。20年足らずの間に、約100万人も減少していることが明らかになっています。

要因はいくつか考えられますが、注目すべきは不況や団塊世代の退職といった一時的なものではなく、今後も恒常的に続いていくと予想されるもの。すなわち、インターネットを始めとするテクノロジーの発展、及びそれにともなう流通構造の合理化・効率化と消費者の購買行動の変容です。こうした変化によって、従来のようなセールスの機会が減少し、徐々にその価値も低減してきたのです。電気自動車を製造・販売しているテスラのように、業界の常識であった営業店(ディーラー)を閉鎖し、オンラインでの直接販売に移行する企業も登場していますが、同様の変化は業界問わず今度さらに増えることが予想されます。

しかし、こうして営業職が減ってゆく中で、近年、従来の「外回り営業」とは異なる営業職が増え続けているのです。それが「インサイドセールス」です。

SFA/CRMツールは万能ではない

インサイドセールスは主にB to B営業で行われている手法で、直訳すると内勤営業。内勤営業と聞くと営業事務をイメージされる方がいるかもしれませんが、インサイドセールスの役割は営業サポートではなく、れっきとしたセールス活動です。

一般的な業務内容は、見込み客や既存顧客リストに対してメール(メルマガ)や電話、チャットツールなどを使ってコンタクトを取りつつ、それぞれのニーズ把握や需要創出を図ること。成約見込みの高い顧客については外回り営業(フィールドセールス)へパスするケースと、インサイドセールス担当者がクロージングするケースがあります。

そのインサイドセールスを効率的に進めるために多くの企業で使われているのが、営業支援システムSFA(Sales Force Automation)と顧客関係管理システムCRM(Customer Relationship Management)というITツールです。

簡単に説明すると、どちらも顧客情報や営業活動をオンライン上に集約するツールで、これまで担当者まかせだった顧客・案件管理、スケジュール、予実管理などを見える化・標準化することができます。一般にステップメール配信やアンケート、受注予測など多くの機能が実装されていることも特徴です。

といっても現状のSFA/CRMツールは、まだまだ課題なしとは言えません。とりわけ耳にする話が、売上にインパクトを与えるほど有効活用できている企業は少ないというものです。

理由としては、「忙しくて機能習得やデータ分析の時間が取れない」といった担当者自身の問題から、2021年5月にセールスフォース社のクラウドサービスで発生した障害に象徴されるようなシステム・運営側に問題があるものまで様々ですが、いずれにせよ、システムはあくまでシステムであって、どんなに多機能でも成果につながらなければ価値はありません。

そもそも営業の価値は、商品・サービスを購入してもらえるかどうか、顧客に喜んでもらえるかどうか、顧客と長く付き合えるかどうか、などで決まるもの。例えDX時代やデジタル時代と呼ばれる現代であっても、管理やアプローチの手法は二次的なものに過ぎないはずです。そして顧客に喜んでもらうためにまず必要なのは、「(見込みを含めた)顧客はいま、営業に何を求めているのか」を知ることではないでしょうか。後半の記事で紹介します。

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