XRとは
XR(クロスリアリティ)とは?~VR・AR・MRとの違い・事例~<前半>
XRとは、「Cross Reality」の略であり、「X」はさまざまな技術を表す変数を意味してxRと表記されることもあります。
XRは、基本的に現実世界と仮想世界を融合することで、現実にはないものを含めて知覚できる技術の総称です。VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)といった技術を総称してXRといわれます。
また、XRという言葉には、VRやARなどを複合した活用という意味合いも含まれます。たとえば、ヘッドマウントディスプレイを使ったVRのゲームに、ARのコンテンツを組み合わせたると、それがVRなのかARなのか、境界線を引くのは難しくなり、総称するためにもXRという言葉が生まれました。
VR
「VR(仮想現実)」は、Virtual Reality (バーチャルリアリティ)の略称で、仮想世界を現実世界のように体験できる技術です。一般的には、ヘッドマウントディスプレイなどの専用のデバイスをとおして、360度カメラによって作成されたCGなどの映像を体験するもので、リアルな臨場感と高い没入感が得られることが特徴です。
ヘッドマウントディスプレイとしては「PlayStation VR」や「Oculus Quest」などのヘッドマウントディスプレイが有名です。また、より安価なタイプとして、スマートフォンを差し込むだけで体験できるVRゴーグルと呼ばれるタイプもあります。
用途としては、ゲームの領域がイメージしやすいですが、最近では旅行の疑似体験・不動産の内見・企業でのメンテナンス作業などの習得訓練・接客教育など、ビジネスでの活用も徐々に広がってきています。
AR
「AR(拡張現実)」は、Augmented Reality (オーグメンテッドリアリティ)の略称で、現実空間に仮想世界を重ねて投影して見せる技術のことです。たとえば、「ポケモンGO」のように、現実空間の街並みにCGによるポケモンキャラクターが登場したり、旅行先などで城などの景色にQRコード読見込んだスマホをかざすと、昔の戦国武将やご当地ゆるキャラが現れたりすることを体験できます。
小売業界では、衣料品の試着や、大規模家具店ではARアプリを使って自分の部屋に試し置きなどをする活用もでてきています。また、ある化粧関連企業では、店頭での毛束色見本ディスプレイの代わりに、ARで髪色のシミュレーションを行うことが出来るようにして、現物サンプルを廃止することにより、環境配慮を謳っています。
MR
「MR(複合現実)」は、Mixed Reality (ミックスドリアリティ)の略称で、現実空間と仮想世界を融合させて見せる技術です。AR(拡張現実)に似ていますが、ARは「ポケモンGO」のように現実空間を主としているのに対してMRでは現実空間と仮想現実がリアルタイムで影響し合うなどして、ARとは異なる新たな空間をつくりだします。
有名なデバイスとしては、Microsoft社の「HoloLens」があります。内蔵センサーやカメラを使って、マウスやキーボードなどを使わずにジェスチャーや音声で操作を行うことができます。たとえば、現実空間に仮想のドアを作り、そのドアをジェスチャーによって開けたり締めたりするといった、現実と仮想空間がミックスされた空間を造ることができます。
こういった空間は、現場部門での活用が想定されており、小売・医療・建設といった分野での活用が想定され実証実験も多く行われはじめています。
某大手家具店では、実店舗・ショールームにMRを実際に導入し、リフォームする際の壁などの色変更のシミュレーションや引き出しの動作など、実際に商品に触れているかのような体験を可能にしています。
今回は、XRの概略とVR・AR・MRなどの構成要素や使われる分野についてお伝えしました。次回はXRが注目される背景やメタバースとの違い、事例について解説していきます。