インターフェースの進化と未来のインターフェースの可能性
未来の、人とコンピューターとのコミュニケーション方法
~デジタルインターフェースの未来図~<前半>
コンピューターとのコミュニケーション方法は、これまでに大きな進化を遂げてきました。MS-DOSなどのコマンド入力から始まり、Windowsでのマウスクリック、スマートフォンやタブレットで主流となったフリック操作などへと進化を遂げてきました。
しかし、これらのインターフェースはまだ過渡期に過ぎません。未来におけるインターフェースの進化を理解するためには、まずこれまでの歴史を振り返る必要があります。
本稿では、まず今までのインターフェースの進化を追い、VUI(Voice User Interface)やジェスチャーベースのインターフェースがどのように登場してきたかを見ていきます。
過去から現在までのインターフェースの進化
コマンドラインインターフェース(CLI)
目まぐるしく進化する技術の中で、実務に役立つテクノロジーを見極めることは重要です。このコラムでは、システム開発者として最新技術を試し、その利点や課題、対策を共有します。皆さんのプロジェクトに役立ててもらい、より良い開発を目指していただくことが目的です。
最新技術にはリスクもありますが、大きな可能性も秘めています。このコラムがその可能性を探る助けになれば幸いです。
グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)
GUIは、マウスを使って画面上のアイコンやウィンドウを操作するもので、視覚的で直感的な操作が可能となり、コンピューターの利用が一般ユーザーにも広がりました。GUIは、操作のしやすさやから、現在では標準的なインターフェースとなっています。
マルチタッチインターフェース
2007年のiPhoneの登場により、スマートフォンを中心にマルチタッチインターフェースが広まりました。指で画面をタッチする入力は、直感的で自然な操作が可能で、スマートフォンやタブレットの普及を後押ししました。
未来のインターフェースの可能性(前半)
これまでのインターフェースの進化を経て、私たちは新たなコミュニケーション方法の転換点に立っています。生成AIやVRテクノロジーの進化により、VUIやジェスチャーベースのインターフェースが、未来のインターフェースとして浮上しています。
VUI(Voice User Interface)
VUIは、音声でコンピューターを操作するインターフェースです。SiriやAlexaなどの音声アシスタントが幅広く知られています。手がふさがっている状況や視覚障害者にとっては非常に有用で、今後はさらに精度が向上し、複雑な指示もできるようになるでしょう。
さらに、生成AIの進化により、VUIはユーザーとの対話がより自然かつ円滑になります。今後音声アシスタントは日常生活でさらなる広がりを見せるでしょう。
VUIの応用例
<スマートホーム>
VUIを利用すると、声だけで家電を操作することが可能です。例えば、Amazon EchoやGoogle Nestを使って、照明のオンオフ、温度調整、音楽の再生などを行うことができます。
<車載システム>
車の運転中には手を使わずにナビの行き先指定・通話・メールの読み上げや返信が可能です。多くの自動車メーカーが、VUIを搭載した車載システムを導入しています。
ジェスチャーベースのインターフェース
ジェスチャーベースのインターフェースは、手や体の動きを利用してコンピューターを操作します。これにより、物理的な接触なしに直感的な操作が可能となり、特にARやVRと組み合わせると、ユーザーはより没入感のある体験を得ることができます。
ジェスチャーベースのインターフェースの応用例
<仮想現実(VR)および拡張現実(AR)>
ジェスチャーで操作することで、没入型の体験が可能になります。たとえば、Apple Vision Proは、ユーザーが手の動きで直感的に操作できる製品の一例です。視線追跡と組み合わせることで、さらに自然な操作が実現されています。
ARやVRの技術を利用すれば、仮想空間内での対話・作業が可能になります。例えば、VRオフィスでのミーティングや、ARではリアルな風景にデジタル情報を重ね合わせることもできます。これにより、遠隔コミュニケーションが、まるで同じ空間にいるかのようなリアリティを持って行われるようになるでしょう。
<医療>
外科医が手術中に直接触れることなく、ジェスチャーでの医療画像の操作や、ツールの選択が可能になります。これにより、手術の効率向上や衛生面のメリットが想定されます。
<ゲーム>
ゲームでは既に利用されています。ユーザーが体を動かして操作することで、より動的でダイレクト感のあるゲーム操作ができ、エンターテインメント体験が向上します。
今回は、インターフェースの進化と未来のインターフェースの可能性(前半)ついて解説しました。次回は未来のインターフェースの可能性(後半)と人間中心の設計の重要性について解説します。