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ヘルスケア領域でのDXの可能性

ヘルスケア領域でのDXとは?
~医療業界でのDXをメリットと事例を交えて紹介します~<前半>

昨今、DXがあらゆるところで語られ、ヘルスケア領域といわれる、いわゆる医療業界も例外ではなくDXの波がきています。今回はこの領域の課題とDXの特徴・メリット・事例などを解説します。

ヘルスケア領域の課題

まずヘルスケア領域では以下の課題があります。

・高齢化による医療費の圧迫

2025年頃には、団塊世代が75歳以上になります。社会は超高齢化し国民の約4人に1人が65歳以上の高齢者となり、さまざまな問題・課題を抱えることが予想されます。高齢者が増えることで多くの社会保険料が必要になり、次世代の若者への負担が増加することが大きな課題とされています。

・少子化による人手不足

国民全体に対する高齢者の割合は増える一方で、医療従事者は増えていません。今の傾向が続くと、高齢者の人口ピークが2040年頃に来るにもかかわらず、医療の担い手はほとんど増えないと予測されています。加えて、コロナ渦により、医療のひっ迫は社会における喫緊の大きな課題となりました。
現在でも医師・看護師の過重労働が問題視されています。そんななか、このまま業務をデジタル化や効率化しないでいると、医療や付随するサービスのレベルが低下し、サービスの提供自体が危ぶまれるでしょう。

・予防/未病が必要

今までのヘルスケア領域では、病気になってから医療機関で治療するというのがごく一般的でした。しかし、高齢者の人口が増えているなか、このままでは医療費がどんどん増えていきます。
そのため、今後は健康寿命といわれる元気でいられる時間を増やして、医療費を抑制する方向に進もうとしています。そのためには予防/未病といわれる、いかに病気を予防して、健康寿命を長くするということが課題となっています。

ヘルスケア領域におけるDX

経済産業省によるDXの定義は、ご存知のとおり「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、ビジネスモデルを変革するとともに、業務・組織・プロセス・企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とされています。

ただし、ヘルスケア領域では、医療機関は医療保険制度の下、公平性が求められるため、他の医療機関との競争性・優位性などよりも、医療サービスをいかに効率的・効果的に提供できるかが重要視されます。

そのため、経済産業省によるDXの定義をヘルスケア領域に置き換えると、「医療を取り巻く環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、診療・治療・などの経営モデルを変革するとともに、医療サービスを効率的・効果的に提供する」ということができます。

この考え方をコロナ渦やデジタル技術・DXの観点から、さらに具体的に考えてみましょう。

「医療を取り巻く環境の激しい変化」は具体的には以下のようにいうことができます。 近年の、コロナ渦により、医療を取り巻く環境は大きな変化がありました。コロナウィルスの感染拡大だけでなく、医療現場での医療従事者の不足、従来からの課題である高齢化社会の進行、医療従事者の働き方改革の必要性などが顕在化し、これらに対応する必要があります。

そして「データとデジタル技術を活用して、診療・治療・などの経営モデルを変革するとともに、医療サービス効率的・効果的に提供する」といった内容は具体的には以下のようにいえます。
たとえば、カルテのデータ化や受付のデジタル化を行うことにより、医療データの病院間の連携や、受付の自動化・省力化などが可能になります。経営モデルの変革によりこれらの技術を積極的活用し、患者向けの医療サービスの提供を効率的・効果的に提供する必要があります。

これらを踏まえ、ヘルスケア領域におけるDXを分かりやすくまとめると、「コロナ渦で顕著化した環境の変化に対応するため、高齢化・人手不足・医療従事者の働き方改革などへ向けて経営モデルを変革しながら、医療データや受付対応などさまざまなデジタル技術を活用してより効率的・効果的な医療サービスを提供していくこと」ということができます。

今回は、ヘルスケア領域の課題とDXについてお伝えしました。次回はヘルスケア領域でDXを進める具体的なメリットと事例について解説します。

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