デジタルトランスフォーメーションをもっと身近に

何故いま、アミューズメント業界でRPAの導入が進んでいるのか?

成功事例から見る、アミューズメント業界の経営革新にDX推進が必要な理由<前半>

アミューズメント業界でRPAの導入が進んでいるのか?

業界全体で深刻化する人手不足。打開策は「生産性の向上」

AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、そして5G の登場による市場環境の変化を背景に、あらゆる業界から注目を集めているデジタルトランスフォーメーション(以下:DX)。局所的、対症療法的なソリューションではなく、産業全体の構造的課題を打開する施策として、多くの企業で推進が加速しています。

その流れは、アミューズメント業界も例外ではありません。

さまざまな業界で人手不足が叫ばれている現在、なかでも深刻なのがアミューズメント業界です。「平成30年雇用動向調査結果の概要」(厚生労働省)では、離職率ランキングの1位・2位に飲食業や娯楽業が揃ってランクインしており、その割合はじつに全体の半数以上を占めています。

加えて、少子高齢化と生産年齢人口の減少による採用難にも歯止めがかかりません。もともと一人当たりの労働量や労働時間の多い業界であるにもかかわらず、離職したスタッフの穴埋めをしようにも人が集まらないため、ますます労働環境が悪化するという負のスパイラルに悩まされている企業も数多く存在します。

こうした状況を打開するカギとなるのが、少ない人員で効率よく業務を遂行すること、つまり「労働生産性の向上」です。そしてそのために現在、かつて業界の花形とも呼ばれていたパチンコホール企業を中心に続々と導入されているのが、DX実現を後押しするソリューションのひとつである、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。

バックオフィス業務が驚異的に効率化。パチンコホール企業でのRPA活用事例

RPAは、これまで人間が手作業でおこなってきたパソコンでの定型作業や、ルーティーン・ワークのオートメーション化に適したITツールです。パチンコホール企業では、おもに以下のようなバックオフィス業務がRPAに置き換えられています。

● 売上(営業)データの抽出・加工作業

● 退店記録や光熱費の集計作業

● 遊技機や景品、備品などの発注・手配作業

他にも、ある大手パチンコチェーンでは、全店舗で1万点を超える賞品アイテムの市場価格チェックに活用している事例もあります。

業務効率化にかかわるITツールと聞くと、「他のアプリケーションと何が違う?」と思われる方もいるかもしれません。たしかに業務効率を上げるITツールは他にも様々なものがあります。しかし、その多くは業務の一部効率化や管理に特化したものがほとんどです。

一方RPAは、「業務を自動化できること」が最大のメリットです。そのため、作業時間や工数の削減はもちろんのこと、業務の脱属人化から手作業によるミス撲滅まで、生産性向上のための根本的な改善にアプローチすることができるのです。

また、チェーン展開している企業なら、これまで店舗ごとにおこなっていた業務を本社に集約してRPA化することによって、一挙に企業全体の業務効率化を図ることも可能です。実際、驚くべきことに、年間で約5,000時間、さらには1万数千時間の業務工程削減に成功した企業も存在しています。

とはいえ、RPAの効果は、上記のような店舗運営業務だけにとどまりません。次回記事では、RPAがパチンコホール企業にもたらした、さらなるインパクトについて紹介します。

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