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DX基礎用語IT部門

2026年1月12日

1年のスタートに!2026年のDXトレンド&注目キーワード〈後編〉

【新年特別企画】2026年のDXトレンド&注目キーワード

〈5〉マシンカスタマー

マシンカスタマーは、文字通り、人間の代わりに自動で商品・サービスの購買をおこなう機械(ソフトウェア)です。既に製造業ではIoTセンサーを活用した自動発注システムが普及していますが、最近ではAIエージェントを搭載した、より高度なマシンカスタマーの実用化も広がりつつあります。

AIエージェントは、自律的に意思決定し、行動できる点が最大の特徴です。この能力を購買プロセスに適用することで、Web上での情報収集、問い合わせ、比較・検討、価格交渉、購入・契約判断、決済に至るまで、従来は担当者がおこなっていた業務の大部分を自動化できます。

マシンカスタマーが普及すれば、売り手側の企業にとっても、顧客の発注忘れによる機会損失を防げるなどのメリットが生まれます。一方で、ECサイトの商品情報をAIが比較・検討しやすい表記に最適化したり、定型的な問い合わせ対応を自動化する仕組みを導入したりするなど、AIエージェントに“選ばれる”ための対策も欠かせません。

〈6〉量子コンピューティング

量子コンピューティングは、“重ね合わせ”や“量子もつれ”といった量子力学の原理を利用し、従来のコンピュータでは困難だった複雑な問題をより高速かつ効率的に解くことを目指す次世代技術です。一部の専門家のあいだではその能力や将来性について懐疑的な声もあるものの、2026年は量子コンピューティングの発展における大きな節目になると見られています。

アメリカでは、IBMが2026年末までに量子優位性の達成(量子コンピュータの情報処理能力が従来型のコンピュータよりも優位であることを証明すること)を目指していると発表しています(※1)。日本国内でも、富士通株式会社が2026年度中に世界最大規模となる1,000量子ビットコンピュータの構築と公開に向け、研究開発を進めていることが公表されています(※2)。

実用化まではまだ時間がかかる見通しですが、量子コンピューティングがビジネスにもたらすインパクトは非常に大きいと見られています。例えば、マーケティング領域では広告の配信・分析の高度化、物流領域では配送計画における「組み合わせ最適化問題」の解決において、これまで不可能だったレベルの予測や最適化が実現すると期待されています。

※1:IBM、量子優位性とフォールト・トレランス実現に向け、新たな量子プロセッサー、ソフトウェア、アルゴリズムのブレークスルーを発表|日本IBM株式会社
※2:Fujitsu Technology Parkの再開発プロジェクトを開始|富士通株式会社

〈7〉CXM(Customer Experience Management)

CXM(顧客体験管理)は、顧客が商品・サービスやブランドと関わるすべての体験(検索、比較、購入、アフターサポートなど)を一貫して管理・改善する取り組みです。デジタル化によって顧客接点や購買プロセスが多様化する中、これからのマーケティングの中核となる概念とも言われています。

CXMの目的は、顧客ロイヤルティ(信頼や愛着)を高め、長期的な売上増加とLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の最大化を目指すことです。購入・行動履歴などのデータ分析によって顧客理解を深め、そのうえで顧客が体験から得られる情緒的価値(感動、快適さなど)を起点に戦略的に施策を設計することがポイントです。

実際にCXMに取り組んでいる企業では、次のような取り組みが進んでいます。
・部門の垣根を越えた顧客データの一元化
・顧客一人ひとりに最適化した商品・コンテンツのレコメンド
・顧客の推奨意向を測るNPS(R)を指標としたサービス改善 など

※Net Promoter(R)およびNPS(R)は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

〈8〉合成データ

合成データ(Synthetic Data)とは、実データ(実際に発生した事実や現実に基づくデータ)の統計的特徴を模倣し、人工的に生成されたデータのことです。実データの入手が難しい領域でも十分な量のデータを確保できるほか、個人情報などのプライバシー課題を回避できる点が大きなメリットです。

アメリカのAmazon.comでは、物流倉庫で稼働するロボットの学習データとして合成データを活用。大規模セール時に顧客の需要に応えられるよう、大量の注文が発生した際にロボットが遭遇する可能性のあるさまざまなシナリオを合成データでシミュレーションし、機械学習モデルのトレーニングに役立てています(※)。国内でも、機密性の高いデータを扱う医療・金融業界での活用が進みつつあります。

もう一つ、合成データが注目されている背景には「AIの2026年問題」があります。生成AIに使われる大規模言語モデル(LLM)の学習に利用可能な高品質のテキストデータが2026年にインターネット上で枯渇するとされる中、その不足を補うアプローチとして合成データへの期待が高まっているためです。

※参照:5 ways Amazon is using AI to improve your holiday shopping and deliver your package faster|Amazon,com,Inc

以上、今年のDXトレンド&注目キーワードをご紹介しました。『DX-labo』では、これからもDXに関心のある方や、実際に取り組まれている方に役立つ情報を継続的に発信していきます。また、参加費無料のDXオンラインセミナーも定期的に開催していますので、是非お気軽にチェックしてみてください。

それでは、2026年も『DX-labo』をどうぞよろしくお願いいたします!

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