3. 既存のシステムからの改善効果として
③既存システム、拡張か刷新かの判断
わかりやすいデジタル購買!成功の秘訣。
【購買部門の声に応える、システム化に必要な視点とは?】
はじめに
当社ではこれまで、150社以上のさまざまな業界のお客様から、購買業務に関する課題や、情報システムに対する期待・ご要望など、幅広いお話を伺ってきました。
本コラムでは、その中でも購買業務を担当されている方々に焦点を当て、課題やニーズを整理・総括し、購買処理を支える情報システムとその運用のあるべき姿をシリーズ連載にしてご紹介していきます。
情報システム部門の視点による、デジタル購買へのアプローチとは?
皆様の購買業務の改善に向けたヒントとして、本コラムがお役に立てば幸いです。
1.既存システムは「使えている」のか、それとも「活かせていない」のか
購買システムをすでに導入しているにもかかわらず、「刷新したい」というご相談をいただくことは少なくありません。その際、まず必ず確認するのが「現行システムのどこに課題があるのか」です。
実際によく挙がるのは、次のような声です。
・手作業・手処理が多く残っている
・使い勝手が悪く、年々使いづらくなっている
・紙での運用が前提になっている
・必要な情報がすぐに見つからない
つまり、「システムは存在しているが、業務を効率化できていない」という状態です。
この段階では、多くの企業が「処理のしやすさ」にのみ目を向けています。
2.「記録するシステム」から「活用するシステム」へ
しかし、少し視点を広げてみる必要があります。
そもそも情報システムの役割は、この10年余りで大きく変化しています。従来は、情報を正しく記録する SOR(System of Record) が中心でした。
しかし現在では、
・情報を共有し、業務をつなぐ SOE(System of Engagement)
・情報から意思決定を支援する SOI(System of Insight)
へと進化しています。
つまり、「記録するためのシステム」から「事業を動かすためのシステム」へと役割が変わっているのです。
3.既存システムは本当に捨てるべきか
では、こうした変化を踏まえて、既存システムはすべて刷新すべきなのでしょうか。
必ずしもそうとは限りません。一度立ち止まり、次の観点で評価してみることが重要です。
■ 基本的なチェックポイント
・必要な情報は漏れなく蓄積されているか
・情報は取り出し・可視化できるか
・システム外処理(Excel等)が常態化していないか
■ 活用の可能性を見る観点
・画面以外から横断的にデータへアクセスできるか
・品目・仕入先などの分析軸が存在するか
・時系列でのデータ把握が可能か
・外部抽出・分析に耐えうる構造か
ここで重要なのは、「機能があるか」ではなく「情報を使える構造になっているか」 です。
4.本質は「データ」ではなく「使い方」にある
仮に、既存システムがSORとして成立している場合、本当に問われるべきは次の3点です。
1.データから傾向を読み取れているか
2.改善施策を導き出せているか
3.現場の行動変化につなげられているか
言い換えると、「情報はある。分析もできる。では、それを業務に活かせているか?」この一点に尽きます。この差こそが、購買業務を“単なる処理業務”で終わらせる企業と、“事業改善の武器”に変えられる企業の分岐点です。
5.それでも刷新が必要なケース
一方で、次のような状況にある場合は、刷新を検討せざるを得ません。
・保守要員が不在、または対応不能
・性能が業務量に追いついていない
・セキュリティやサポートが切れている
この場合の課題は、
・投資(人・コスト)の負担
・過去データの扱い
です。
特に後者については「すべてを新システムに移行する」ことに固執しないことが重要です。
過去データは参照用DBとして保持し、BIツール等で新旧を横断して活用することで、十分に価値を維持できます。
6.刷新は「業務改革の最大のチャンス」
システム刷新は単なる入れ替えではありません。
むしろ、
・業務の見直し
・複雑化の解消
・情報活用ポリシーの再定義
を行う絶好の機会です。
そのためには、
・現状整理
・方針定義
・要件整理
をリードできる「示唆役」の存在が重要になります。
外部の知見を活用することも含め、 “システム導入”ではなく“事業変革”として捉えることが成功の鍵です。












