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経営改革促進

2022年9月26日

デジタルディスラプター例と取り組み内容

デジタルディスラプター
~デジタルディスラプションと生き残り戦略~<後半>

前回は、デジタルディスラプションとデジタルディスラプターについてお伝えしました。今回は具体的なデジタルディスラプターの事例を交えて、ディスラプションにより起こることやデジタルの役目などについて解説します。

海外のデジタルディスラプター例

・Uber

デジタルディスラプターとは、一般的にはクラウドやビッグデータ、IoT、AIなどのデジタルテクノロジーを「Uber」はデジタルディスラプターの成功例としては最も有名です。Uberは自動車を所有している運転者と、移動したいユーザーをマッチングし、手数料を収益としています。運転者も利用者も、スマートフォンとクレジットカードさへあれば利用でき、お互いを評価するという点が新しく、今までにないビジネスモデルとなりました。
「Uber」の参入はタクシー業界にとどまらず、バスや電車といった公共交通機関全般にも影響を与えました。今後、自動車業界全体の収益にも影響をもたらす可能性があると考えられています。

・Netflix

映画やドラマなどの動画コンテンツを楽しむためには、従来は動画コンテンツを購入したり、レンタルショップでDVDなどを借りたりする必要がありました。そのため、実店舗の運営ではコストがかかり。売上を拡大するためには、商品数や店舗数を物理的に増やすことが必要でした。
一方、「Netflix」はインターネットをインフラとし、サブスクで動画コンテンツを見ることができるため、インターネット環境さへあれば好きな場所で好きな時間に動画コンテンツを楽しむことができます。さらに、実店舗がないため低価格でサービスを提供することができ、ユーザーの動画視聴方法に劇的な変化をもたらしました。実際に既存の動画コンテンツ提供企業が廃業に追い込まれるなど、「Netflix」は動画コンテンツ業界に大きな影響を与えたデジタルディスラプターといえます。

・Airbnb

「Airbnb」は、Airbed and breakfastという名前で2007年に起業された米国の起業です。
Airbedandbreakfast.com」というサイトを立ち上げ、宿泊手段の仲介を行っていました。宿泊業ではなくても部屋や家を貸したい人と、宿泊したい人をマッチングさせて、仲介手数料で収益としています。
「Airbnb」では貸す側は宿泊施設を保持する必要がないためコストがかからず、宿泊者側はインターネット上で誰でもオンラインで予約ができるため、既存の宿泊業界のビジネスモデルを激変させつつあります。

国内大企業のイノベーション取組内容とディスラプターに対する生存戦略

■大企業イノベーション取組内容例(富士フイルム社)

よく「ディスラプションの時代を生き抜く企業」のお手本と言われるのが日本の富士フイルム社です。
富士フイルム社は文字通り、元々は写真フイルムを作っていた企業です。しかしこの市場は10年の間に市場規模が10分の1にまで縮小しました。原因はデジタルカメラの出現により画像の記録方法がアナログからデジタルへと急変したからです。この変化に対応できなかった世界最大の既存企業であった米国のコダック社は破産(現在のコダックは2013年に再出発した組織)へと追い込まれました。
富士フイルム社はこの市場の変化に対応するため、フイルム技術を活かしたイノベーションの取り組みを進め、現在ではさまざまな事業を行う会社への変貌をとげ、写真関連事業は全体ビジネスうち16%を占めるにすぎません。そのため同社を、「ヘルスケアや医療関連の会社」あるいは「化粧品やプリンティング材料の先進開発企業」とのイメージを持つ人も多いでしょう。

■デジタルディスラプターに対する必要な生存戦略

では、既存の企業は、デジタルディスラプターに対してどのような生存戦略をとれば生き残れるのでしょうか?
デジタルディスラプターが顧客にもたらしている価値とは以下の3点といわれています。

-コストバリュー(価格の低下)

-エクスペリエンスバリュー(利便性の向上)

-プラットフォームバリュー(ネットワーク効果、コミュニティーの価値)


デジタルディスラプターはデジタル技術を駆使して新しいビジネスモデルを築くことにより、既存の企業よりも手軽で低価格な新しい利便性のよりサービスを提供し、驚くべきスピードでシェアを獲得することが特徴です。

既存の企業は、デジタルディスラプターが持つこの3つの価値と自社の強みを組み合わせて、独自の優位性を構築することが必要でしょう。

まとめ

このように、デジタルディスラプターに対抗するには、デジタル技術を駆使したDXの推進が必須です。今やデジタル技術はもとよりDXを進めない企業は、デジタルディスラプターが自分の業界に現れた時に、もはや生き残れる可能性は高くないってよいでしょう。既存の企業は、ディスラプターに対抗するためにデジタル技術の導入やDX人材の育成が不可欠になっている、ということを十分に認識する必要があるでしょう。

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