スタートアップ企業とは

スタートアップ企業とは、新規事業を立ち上げる企業のことを指します。一般的には、特定の社会課題を解決するための新たなアイデア・製品・サービスなどを開発し、市場に投入することを目指し、ビジネスを推進します。例えば、Uberは都市の交通課題を解決するための新しいアイデアを創出し、サービス化して市場に提供しました。これらの企業の多くは、新しいテクノロジーを使ってイノベーションを産みだしながらも、企業としては存続のリスクを伴いますが、一方で大きな成功と成長の可能性も秘めています。

ベンチャー企業という単語は、日本人が作った和製英語です。一般的に英語ではベンチャー（Venture）というと、VC（Venture Capital）といった投資を行う側の企業を指します。また、こういったVCから投資をうけている企業をVenture-backed companyと呼んだり、VCが投資する対象企業をVenture Business（VB）と表現したりします。 この、日本で生まれたベンチャー企業という言葉は、幅広い意味で使われており、設立が間もない企業・まだスモールビジネスだがチャレンジングなビジネスを展開する企業なども含まれ、スタートアップも含まれる場合があります。定義はあいまいな部分が多く、人によっては新しく起業した後に10年程度経った企業までのことをベンチャー企業、と呼ぶこともあります。

一般的に、DX推進をする場合には、オープンイノベーション（さまざまな外部連携による新規事業創出）の活用が有効といわれます。オープンイノベーションは社外のリソースを活用するためイノベーションを加速することができると考えられています。たとえば、大手事業会社が自社の製品やサービスをデジタル化するために、スタートアップ企業と連携することで、より効果的にDXを推進することも可能です。

スタートアップ企業との連携では、自社が持たない技術や製品の活用が期待できます。スタートアップはAI・IoT・センシング・ロボティクスなどの先進分野において、DXを推進する上で欠かせない技術や製品を持っている場合があります。そのため、スタートアップとの連携で自社の製品やサービスを効率的にDX化する可能性を高めることができます。DXを推進する過程で革新的なサービスを生み出すことができれば、イノベーションにつなげることもできます。

スタートアップ企業と連携する際には、自社の得意分野や、スタートアップ企業に期待することを明確にする必要があります。一般的には、スタートアップ企業はある特定のテクノロジーやビジネスモデルに秀でる企業が多いです。その特定の尖った内容を自社に活かし、オープンイノベーションに繋げることができ得るため、DX推進にとってスタートアップ企業との連携は重要なファクターになるといってよいでしょう。

【事例①】グルーブノーツ
（https://www.groovenauts.jp/）

AIと量子コンピュータを搭載したクラウドプラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」を開発・提供するスタートアップ企業です。
同社の代表的なサービス「MAGELLAN BLOCKS」は、量子コンピュータやディープラーニングなどの先進テクノロジーを、画面上の機能ブロックをつなぐだけの手軽さで、シンプルに利用できるのが特徴です。製造・運輸／物流・小売／サービス・建設・金融業など、さまざまな業種の企業が導入し、現場の課題解決に活用されています。
また、デジタル人材育成にも力を入れています。小学生から学べる最先端のテクノロジー教育事業として「TECH PARK」を展開しています。プログラミングはもちろんのこと、AI、デザインなどの分野で、テクノロジーを正しく理解して、楽しみながら実践的な力を身に付けることができる教育プログラムを開発しています。自社運営の「TECH PARK」以外にも、さまざまな教育機関にサービスを提供しています。

今回は、スタートアップ企業の概要や、ベンチャー企業と違い、DXとの関係、スタートアップ企業事例などについて解説しました。次回は引き続き、スタートアップ企業の代表的な事例について複数紹介していきます。