2. 各部門の意見からの取組
④ 決定から移行に至るまでのリスク
わかりやすいデジタル購買!成功の秘訣。
【情報システム部門の視点による、デジタル購買へのアプローチとは】
はじめに
当社ではこれまで、150社以上のさまざまな業界のお客様から、購買業務に関する課題や、情報システムに対する期待・ご要望など、幅広いお話を伺ってきました。
本コラムでは、その中でも購買業務を担当されている方々に焦点を当て、課題やニーズを整理・総括し、購買処理を支える情報システムとその運用のあるべき姿をシリーズ連載にしてご紹介していきます。
情報システム部門の視点による、デジタル購買へのアプローチとは?
皆様の購買業務の改善に向けたヒントとして、本コラムがお役に立てば幸いです。
1. あらためて整理する導入・刷新のリスク
前章で触れた導入・刷新の主なリスクは、次の3点です。
- ・従来業務との乖離
- ・過去データとの分離
- ・コストや人的負荷の増加
これに加え、プロジェクトメンバーの意識や、「基本システムに自社要素をどう組み込むか」という思考も重要になります。
2. ベンダー決定時の構想パターン
購買システム導入時の構想には、いくつかの考え方があります。
① プロジェクト開始後に構想・機能を固める
ポイント
- 現状分析から始まる 準備はほぼ無い
- フェーズを区切って進める、期間やコストも都度決める
- ベースとなるパッケージやコアシステムの柔軟性がカギ
- プロジェクトは長期化する傾向で、全体工期や予算は不明に近い
② 基本構想を先に定め、プロジェクトで具体化する
ポイント
- ベースとなる基本システム機能の事前把握は重要
- 自社の全体構想、基本要件は定めておく必要性
- 改変や追加要件についての協議がプロジェクトの中心
- 基本+追加、改変での機能や処理内容が最終形として目的に適合するかの想定がカギ
③ 基本システムを先に導入し、段階的に拡張する
ポイント
- 基本システム機能が最低限の要件で運用できるか
- まずは既存、現状とのGAPはユーザーとして許容できること
- 追加や変更の優先順位付けと処理変更についてユーザーでの合意形成
- 拡張に伴うコスト増をどこまで許容するか
それぞれに特徴がありますが、現在の主流は「基本構想を定めた上で進める」パターンです。
3. 自社のシチュエーションによる選択
既に業務や要件が整理されている場合 → 基本構想+追加検討型
初めてのシステム化、業務がシンプルな場合 → 基本システム先行導入型
自社の成熟度や業務特性に応じて、無理のない選択が重要です。
4. 自社要件を組み立てる視点
導入・刷新を進める上で重要な存在がプロジェクトチームです。
リーダーだけでなく、参画する一人ひとりに求められる役割があります。
購買システムの基本業務は、概ね次の流れです。
- ・見積:依頼・取得・比較
- ・発注:内部確認・決裁・発注
- ・納品:照合・消込・残管理
- ・検収:品質・数量確認、債務確定
この基本に対して、
「本当に必要なイレギュラーか」
「発生頻度はどの程度か」
「業務やコストへの影響はどうか」
を冷静に見極め、可能であれば「省く」判断も重要です。
5. プロジェクトの成否を左右する「移行」
意外と見落とされがちなのが、システム移行です。
主な論点は以下の3つです。
① データ移行
・マスタデータ:必須。調整に時間がかかるため注意
・過去実績データ:割り切って簡素管理も有効
・仕掛データ:新旧分離や割り切りが現実的
② 処理の移行
「即時切替か」
「並行稼働か」
並行稼働は安心感がある一方、運用負荷は大きくなります。
切替の決断も重要です。
③ 移行範囲の検討
「全社一斉か」
「部門・品目単位で段階的か」
ユーザーの混乱を避ける視点で検討します。
6. 組織的な情報共有の重要性
移行期は、プロジェクトメンバーにとって最も緊張するフェーズです。
これを和らげるのが、早期かつ継続的な情報共有です。
- ・プロジェクト開始の背景
- ・スケジュールや進捗
- ・新システムの概要
- ・移行や運用開始の段取り
良い点だけでなく、一時的な不便や課題も含めて伝えることが、組織の理解につながります。
7. 移行に必要な「覚悟」
新システムへの移行は、組織にとって一つの節目です。
運用開始後、多少のトラブルは必ず起こります。
しかし、適切な保守・支援体制があれば、必ず落ち着いていきます。
やがて運用は平準化し、データが蓄積され、データドリブンなフェーズへ進んでいきます。
弊社クレオでは、移行計画から運用設計、保守支援まで一貫してサポートしています。
安心して次のステップへ進んでいただければと思います。












