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コストセンターとしてのコールセンターの状況

コールセンターからコンタクトセンターへの変革<前半>

コールセンターの状況

近年、スマートフォンなどのモバイル端末の普及により、通販を中心とするEC市場は活性化してきました。そんな中、昨年以来、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) の流行は人々の行動に大きな変化をもたらしました。緊急事態宣言が発令されるなど、外出を控える人が増え、テレワークの導入・推進により自宅で仕事をする人も増加しました。人々の購買行動にも変化があり、実店舗よりもインターネット上のWebサイトなどで通販を利用し商品などを購入する人が増えたと言われています。
それに伴い通販を中心とするコールセンターの利用は増加し、もともとコールセンターが抱えていた人手不足などの課題が顕著化しました。

■急速なスマートフォンの普及率向上による通販市場の活性化

総務省の情報通信機器保有状況によると、スマーフォンの世帯あたりの保有率は2010年には9.7%だったのが、2015年には71.8%、2019年には83.4%と、急速に高まりました。この傾向は今後も続き、さらに高まると予想されています。これによりWebサイトなどの通販を利用する人も増加していると考えられています。

■コロナ渦での巣ごもりによる通販需要の増加

ご存知の通り、新型コロナウイルスの流行により、政府は「緊急事態宣言」の発令や「まん延防止等重点措置」など、極力人々の外出を抑える方針を出しています。同時にテレワークの推進により出社率を3割にするように要請が出されています。
これらの影響により、ネットの利用は増加しており、総務省の家計消費状況調査によると、2021年4月分のネットショッピングの支出額は前年比で22.3%増加しています。

こういった結果からも、通販サイトへの問い合わせも増加していると考えられ、コールセンターのニーズはますます高まっていることが伺えます。過去から言われていたオペレーター不足などのコールセンターの人材不足が、ここにきてさらに顕著化していると考えられます。同時に離職率の高さによる、採用や教育・育成にコストがかかることなども課題となっており、業務の効率化などの変革が求められています。

デジタル化による効率化

そこでまず人手不足に対する解決策として考えられるのがデジタルツール導入による業務の効率化です。
業務効率化の代表的な手段として考えられるのがRPAの導入です。
RPAとは、Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション) の略で、比較的単純かつ繰り返し行う作業の自動化を行うソウトウェアロボットのことです。有名な例として、複数の銀行では既にRPAの導入により年間数千時間に相当するコスト削減ができたなどという成果も出てきており、導入も徐々に進んできています。
ここではコールセンターへの適用内容について解説します。

■コールセンターでのRPA適用例

まず、コールセンターで適用できるいくつかの典型的な業務の例を見てみましょう。

・電話履歴のダウンロード
一般的にコールセンターでは対応品質の向上やトラブルを回避のため、音声データを保管します。その際に、一定のデータが蓄積された後、音声データをサーバーからダウンロードし、別の場所に格納をするケースがあります。このような定型作業はRPAが行うことができます。

・対応履歴の転記作業
コールセンターの顧客対応ではクレーム対応などがつきものです。これらの対応をまず業務システムに記録したあと、日報などのレポートとして報告するケースはよくあります。オペレーターが記録したデータを、報告書に転記してワークフローにアップロードするという定型作業はRPAで自動化することが可能です。

■RPAを適用するメリット

これらの例からわかるように、RPAの適用では以下の大きなメリットがあります。

・生産性を向上できる
ダウンロードや転記などの作業は、人手よりもRPAがやった方が正確かつスピーディで、業務が効率化すると同時に自動化が図れ、生産性の向上が期待できます。

・コストを抑えられる
RPA導入は一時的な導入費用や運用にかかるコストがかかりますが、自動化により中長期的には多くの人件費を抑制することができます。

今回、コールセンターの課題に対する効率化などの対応策をお伝えしました。次回は、DXに向けてさらにチャットボットを使ったサービスの向上や、コンタクセンターへの変革、についてお伝えしていきます。

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